2025年6月14日、中東地域で緊張が急速に高まっている。ヨルダン国営メディアは同日、ヨルダン空軍が領空に進入した複数のミサイルとドローンを迎撃したと報じた。同時に、イスラエル国防軍(IDF)は、イランがイスラエルに向けて100機を超える攻撃用ドローンを発射した事実を確認している。
ヨルダン軍の迅速な対処
ヨルダン軍関係者によれば、14日未明に領空を通過する飛行物体を確認し、航空防衛システムが即座に反応した。人口密集地域への被害を避けるため、危険性の高い飛行物体を次々に撃墜した。軍当局は声明で「純粋な防衛行動」と位置づけ、「国民の安全と国家主権を最優先に行動した」と強調している。
撃墜した飛行物体の経路を分析した結果、これらはイランから発進したミサイルおよびドローンであり、最終目標はイスラエルであった可能性が高いと判断された。飛行経路がヨルダンおよびイラクの空域を通過していたため、ヨルダンとしては防衛措置を講じる必要があった。
イランによる大規模ドローン攻撃
イスラエル国防軍の報道官エフィ・デフリン准将は14日午前、イランが過去数時間の間にイスラエルに向けて100機を超える攻撃用ドローンを発射したと発表した。IDFは現在、防空システムをフル稼働させ、迎撃体制を維持している。
デフリン准将は、これらのドローンがイラン国内から発進し、イスラエル領空に到達するまでには数時間を要すると見込んでいる。これを受け、イスラエル全土では防空警報を発令し、民間人に対して避難指示を出した。
今回の一連の動きは、中東地域における安全保障環境の悪化を鮮明にした。ヨルダン軍は声明の中で「陸海空すべての国境を24時間体制で監視し、いかなる領空侵犯も容認しない」と明言し、強硬姿勢を打ち出している。背景には、シリアやイラクを経由して活動する武装勢力の増加が影響していると見られる。
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