米軍の高官は、中国の軍事力が急速に増強されており、もし台湾海峡で戦争が発生した場合、アメリカ本土の軍事基地が攻撃を受ける可能性があるため、米軍は大規模な戦争への備えを強化すべきだと警告している。
ロイター通信によると、米空軍准将ダグ・ウィケルト氏は今月初め、カリフォルニア州エドワーズ空軍基地近くの地域リーダーを集め、今後数年以内に中国が台湾を攻撃した場合、地域社会は戦争開始直後から甚大な被害を受ける可能性に備えるべきだと述べた。
ウィケルト氏は、カリフォルニア近郊の「エアロスペース・バレー」で製造されている最新鋭の米軍機、特に1990年代のB-2ステルス爆撃機の後継機であるB-21「レイダー」は、北京政権への抑止力の要であると強調した。しかし、抑止が失敗した場合、中国はアメリカ本土、特にこうした航空機を生産するノースロップ・グラマン工場を含む周辺地域を攻撃する可能性があると警告した。
ウィケルト氏は参加者に対し「もし戦争が起きれば、ここで起きることになる。我々の地域にも波及する。それが今回この対話を行う理由だ。準備が万全であればあるほど、習近平の計算を変えられる可能性が高まる」と述べた。
また、攻撃はサイバー攻撃も含まれ、電力供給の遮断や他の重要インフラの長期的な麻痺が発生する可能性にも言及した。
これまでにも複数のアメリカ高官が、習近平は現時点で攻撃を決断していないものの、2027年までに台湾侵攻に備えるよう軍に命じていると述べている。
最近流出したアメリカ政府の戦略文書では、中国への抑止が国防総省の最優先事項とされており、アメリカ側は長期戦への備えも整えていることが示されている。
米軍高官は「中国が台湾を攻撃し、我々が介入を決断した場合、この戦争がすぐに終わる可能性は低い」と述べた。
フィリピンや西太平洋地域では、米軍技術者が第二次大戦以降使われていなかった滑走路の再整備を進め、航空機を複数の拠点に分散配備する計画も進行中だ。
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