ドナルド・トランプ米大統領は、アメリカへの輸入に際して相互関税の対象となる製品のうち、特に電子機器の部類に属する日常的な製品の一部を関税の対象から除外することを決定した。
米国税関・国境警備局が11日に発表した最新のガイダンスによると、関税の対象外となる製品には、スマートフォン、コンピュータ、サーバー、ノートパソコン、タブレット、マザーボード、プロセッサー、メモリーモジュール、半導体製造装置、集積回路、フラットパネルディスプレイおよび関連機器が含まれている。
これらの製品は、トランプ政権が各国に課した関税、特に主要供給国である中国に対して発動された145%の関税の対象からも除外される。
この関税免除措置は、アップルのようなハイテク企業にとって追い風となる。トランプ大統領が2日に関税の導入を発表して以来、アップルの株価は下落していた。
アップルの株価は、2日の223.89ドルから4月8日には172.42ドルに下落し、約23%の値下がりとなった。同社の時価総額の損失は約6400億ドルに達した。その後、株価は一部回復し、記事執筆時点では198.15ドルで取引されている。
関税免除の対象となるその他の製品には、ルーター、モデム、ネットワークスイッチ、SSDストレージデバイス、USBメモリ、SDカード、液晶ディスプレイ(LCD)と有機ELディスプレイ(OLED)などのディスプレイモジュール、コンピュータ用モニター、一部のトランジスタ、太陽電池、LED、マイクロチップ、マイクロプロセッサ、メモリチップなどが含まれる。
トランプ大統領は、米国製品に対して輸入障壁を設ける国々への報復措置として相互関税を導入した。世界全体に対しては10%の基本関税が設定され、各国の対米貿易政策に応じて個別の追加関税が科されている。
関税発表時、スコット・ベッセント財務長官は各国に対し、報復措置を取らないよう警告した。だが中国はこれに従わず、独自の関税をアメリカに課すなどして報復。結果的に米中間の貿易戦争が激化し、中国製品には145%の関税が課される事態となった。中国はさらに米国製品に対して125%の関税を追加で課している。
一方、トランプ大統領は他国との貿易協定を見直す目的で、当面それ以外の国への関税は一時停止している。
こうしたトランプ政権の関税政策は、米国市場および世界市場に不安定さをもたらし、債券市場や国債利回りにも影響を及ぼしている。
中国は、こうした関税の悪影響に対抗するため、人民元の切り下げを進めていると専門家は『エポックタイムズ』に語った。中国人民銀行は4月8日、人民元の中間レートを1ドル=7.2038元と設定し、これは2023年9月以来初めて7.20の水準を超えたことになる。
4月11日時点での為替レートは約1ドル=7.291元となっている。
トランプ政権が中国に対して厳しい制裁を課している背景には、このような通貨切り下げに加え、知的財産権の侵害、製品のダンピング、大きな貿易不均衡の維持といった問題があるとされている。
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