中国広東省深圳市にある集合住宅で3月23日、「高所からのポイ捨て」による車両の損壊事件が発生した。
2階に住む住人の子供が窓から「濡れた紙の塊」を投げ捨て、それが下に駐車していた車のボンネットに直撃し、凹みができたという。
被害に遭った車の持ち主はすぐに管理会社に連絡。防犯カメラの確認と調査の結果、2階の住人が原因と判明した。親は謝罪とともに7千元(約15万円)の賠償に応じた。
関連トピックスは翌日、中国SNSのトレンド入りした。

ネット上では「理解に苦しむ」の声
「事件」は多くの中国メディアが取り上げ報道しており、「高所からのポイ捨て」に対する危険性とモラルの低下問題が改めて指摘されるとともに、「たかが2階から投げた濡れた紙の塊だ、それで車が凹むのか?」という「理解に苦しむ」の声も殺到している。
「2階って普通の高さの2階か?」
「あの濡れた紙に鉛球でも包んでいたのか? あるいは車のほうも紙製だったのか?」
「そう簡単に凹む車であれば、車そのものに品質の問題があるのではないか、どこのメーカーだ? 買わないリストに入れとこう」
「子供は車の持ち主を救ったんだ、紙ごときで凹む車など乗らないほうが身のため」
多くのユーザーは「紙でボンネットが凹んだ」ことが信じられないようだった。だが、そうした「単純な疑問」に答える中国メディアは皆無。

高所ポイ捨ては「殺人行為」にもなり得る
専門家によると、高所から物体が落下すると重力加速度によって速度が増し、大きな衝撃を生む。たとえば、15階から空き缶を投げると頭蓋骨を砕く威力があり、25階から投げると命を落としかねない。
実際、中国では過去にも「高所ポイ捨て」が招く悲劇は多く起きている。
例えば、2020年には重慶市でマンション上層階から投げられた消火器が通行人に直撃し、死亡させる事件が発生。投げた少年は過失致死罪で起訴された。
モラルと防止策の必要性
今回の深圳の事件は幸いにも物的損害で済んだが、専門家は「高所ポイ捨ては重大な事故につながる恐れがある」と警鐘を鳴らす。今後は監視カメラの強化や罰則の厳格化に加え、親が子供に対し危険性を教えるモラル教育が求められている。

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