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温暖化対策の機運停滞か パリ協定の新目標を9割の国が期限に提出せず

2025/02/12
更新: 2025/02/12

パリ協定に基づく温室効果ガス削減の新目標について、190か国以上の参加国のうち9割が提出期限に間に合わなかったことが明らかになった。

2025年2月10日は、地球温暖化対策の国際的な取り決めであるパリ協定に基づき、各国が国連に新しい削減目標を提出する期限だった。しかし、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のウェブサイトによると、期限までに新目標を提出したのはブラジル、アラブ首長国連邦(UAE)、ニュージーランド、スイスなど十数か国にとどまった。

アメリカは昨年12月にバイデン前政権が目標を提出していたが、現在のトランプ政権がパリ協定から離脱する方針を示しており、この目標が破棄される可能性が高いとされている。トランプ大統領は、パリ協定が米国経済に不公平な負担を課し、産業に悪影響を与えるとして脱退を決定した。また、中国などの他国が罰則なく排出を続ける一方で、米国が自国産業を犠牲にすることはないと主張している。

排出量の多い中国、インド、欧州連合(EU)などは今年後半の提出を予定している。日本も3月末までの提出を目指している。

UNFCCCのスティル事務局長は9月までの提出を促している。しかし、期限後の提出に罰則はない。

パリ協定は5年ごとに世界全体の対策の進捗を確認し、各国に削減目標の引き上げを求めている。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、産業革命前からの気温上昇を1.5度以内に抑えるには、2035年までに2019年比で温室効果ガス排出量を60%削減する必要があると指摘している。

今回の提出遅れは、世界的な温暖化対策の機運停滞を示唆しており、各国の今後の動きが注目される。

大紀元エポックタイムズジャパン記者。主に軍事・防衛、安全保障関係を担当。その他、政治・経済・社会など幅広く執筆。