旅客機と軍用ヘリ空中衝突 ホワイトハウスから約4.8キロ 18人の遺体を回収

2025/01/30
更新: 2025/01/30

アメリカで旅客機と軍用ヘリコプターが空中衝突し、ポトマック川に墜落する事故が発生した。目撃者は、衝突の瞬間に火花が四方に飛び散り、大規模な花火のようだったと証言した。

米メディアの報道によると、警察はこれまでに少なくとも18人の遺体を回収したが、生存者は確認されていない。ワシントンD.C.の当局者は、「300人以上の救助隊が捜索活動を行っているが、具体的な死傷者数は現時点では公表できない」と述べた。

事故機はアメリカン航空(AA)傘下のPSA航空運航するボンバルディア製の旅客機 で、1月29日午後9時頃、カンザス州ウィチタを離陸し、レーガン・ワシントン・ナショナル空港に着陸する予定だった。しかし、着陸進入中に米軍のUH-60ブラックホークヘリコプターと空中衝突 した。

米軍関係者によると、事故当時、ブラックホークには3人の兵士が搭乗しており、訓練飛行中だったという。3人の安否については、現時点では明らかになっていない。

レーガン空港が全面閉鎖、ポトマック川での救助活動が続く

この事故の影響で、レーガン・ナショナル空港は全面的に閉鎖された。米連邦航空局(FAA)は、空港の閉鎖が少なくとも1月31日午前5時まで続く見込み であると発表している。

事故現場周辺は寒波の影響で極寒となっている。ワシントンD.C.の気温は摂氏10度近いが、ポトマック川の水温はわずか1.6℃と非常に低い。 救助作業は厳しい条件の下で続けられている。

アメリカ国立気象局によると、水温1.6度の環境では、わずか3分で手足が動かなくなり、15~30分で意識を失う可能性がある。生存可能時間は30分から90分と推定されている。

目撃者の証言

ワシントン・ポスト紙が関係者の話として、警察はすでにポトマック川から複数の遺体を回収したと伝えた。ワシントンD.C.当局の報道官は「300人以上が救助活動に従事しており、夜を徹して捜索を続ける」と述べたが、死傷者の詳細については言及を避けた。

目撃者のアリ・シュルマン(Ari Schulman)氏 はCNNに対し、「車で帰宅中に事故を目撃した。最初は普通の飛行機のように見えたが、3秒後、機体が急に右に傾き、底部が見えた。その後、明るい黄色い光が点灯し、火花が飛び散り、まるで花火のようだった」と語った。

航空機の軌跡を追跡するFlightAware.comによると、事故機は南からレーガン・ナショナル空港に接近し、33番滑走路への最終進入中にわずかに北西方向に旋回 した。その後、滑走路入口の約0.5マイル(約0.8キロ)手前で飛行データが途絶えた という。

事故発生地点はホワイトハウスから約3マイル(約4.8キロ)しか離れておらず、アメリカでも特に厳しい航空管制が敷かれている空域の一つとされている。

トランプ大統領はトゥルース・ソーシャルで、この事件は予防可能だったようだとさらにコメントした。

「旅客機は通常通り、適切な進入コースを飛行していた。一方、ヘリコプターはしばらくの間、旅客機に向かって飛行し続けていた。夜空は澄み渡り、飛行機のライトも明るく輝いていたのに、なぜヘリコプターは上昇や下降、または回避行動を取らなかったのか?

管制塔はなぜ、飛行機を見たかどうか尋ねる代わりに、ヘリコプターに何をすべきか指示しなかったのか。これは防げたはずの悲劇だ。非常に残念だ!!!」