「各地で無差別殺傷事件が頻発しているから……」
中国当局は最近、上記のような理由のもと、公共の場に大勢の人が集まるあらゆる「年越し・新年を祝うイベント」を中止にしている。
そこへ、「年越しの花火ショーやるよ」と大々的に宣伝しておきながら、結局は行われなかった同国広東省の複数のイベント会場では「騙された!」と怒った市民が暴動を起こした。
例えば大晦日の夜、数万人が押し寄せた、東莞市(とうかん-し)の景勝地(「荷塘印象」)。来場客のほとんどが、「花火ショー」目当てだった。しかし、期待していた花火ショーは最終的に行われなかった。
中止のことを知らない来場客は年越しカウントダウンの後、空を見上げ、花火ショーを期待した。しかし、いつまで待っても花火は上がらなかった。
ついに花火中止を知って、がっかりした観光客らは「チケットの払い戻し」を求めた。しかし、景勝地側はこの要求を拒んだ。
すると、怒った一部の観光客はチケット売り場に向かって様々なモノを投げるようになり、しまいには売り場のフェンスや冷凍庫までひっくり返した。そのうち、誰かが売り場の中から「大量の果物」を持ち出し、観光客らはその果物を投げるなどして怒りを爆発させた。
現場を映した動画のなかには、「チケットを払い戻せ」という叫び声が響き渡り、「ぶっ壊せ! 警察も逃げたぞ!」という観光客の声も収録されていた。
この大混乱を前に、景勝地のスタッフは逃げ、チケット売り場に駐在するはずの警察もどこかへ逃げたのか、姿が見当たらない。
「事件」はSNSでも炎上し、
「詐欺だ 」
「花火ショー目当てで行ったのに」
「チケットの払い戻しだけではない、往復の交通費も弁償しろ!」
といった怒りの声があふれた。
世論のプレッシャーをうけ、1日午後、景勝地側は謝罪文を発表し、「チケットの無条件払い戻し」を約束した。なお同景勝地の年越しチケットは68元(約1400円)で、このなかに花火ショーを含む3つの演目が含まれている。
(現場の様子)
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