「打倒共産党!」
12月24日、中国海南省・瓊海市(けいかい-し)の中学校の校門前で男による「反共産党のスローガン」が叫ばれた。
男はすぐに駆けつけた現地警察によって取り押さえられ、3人がかりで無理やりパトカーへ詰め込まれた。
動画投稿者によると、「男は酒に酔っていた疑いがある」という。
(当時の様子)
中国のことわざの1つに「酒後吐真言」というのがある。文字通り、酒が入るとポロリと本音が出る、という意味だ。
「酒後吐真言・事件」は華人圏でも拡散され、「同感だ!打倒共産党!」、「酒が入ってポロリと本音が出てしまったのね」とする共感が広がっている。
中国の警察は庶民の苦しみに関心がない。中国で生活したことのある人であれば、誰もが身をもって感じていることだ。
そうした「中国ならではの事情」を裏手に取り、警察を迅速に呼びつける、あるいはやる気にさせる「裏の手」もある。
そのような皮肉たっぷりの「機転の利いた最後の手」が華人圏でシェアされている。
例えば、「普段は呼んでも来ない中国の警察を呼ぶには、『打倒共産党』とSNSで発信するだけ」
「失踪した子どもを探したいならば、『失踪した子は反共組織の人たちに連れ去られた』とでも110番通報するといい、警察は24時間以内にその子を見つけ出し、反共組織をつぶすだろう」などがある。
どれも中国警察に対する猛烈な皮肉であると同時に、中国社会の不条理に対する憤慨である。
ショッピングモールで「迷子」になった子の親が貴金属店を襲撃する事件がたて続けに起きている背後の原因もまさしく、こうした警察の不作為にある。
7月に湖北省十堰市のショッピングモールで起きた子供の「失踪事件」の際、母親は消火器を手に、貴金属店を襲撃した。その結果、セキュリティシステムが起動し、ショッピングモールの出入り口が封鎖され、大勢の警察がモールに乗り込んだ。大捜索が行われた結果、失踪の子供は(薬か何かを嗅がされて)昏睡状態でトイレで見つかった。しかも、発見時、子供の髪は剃られて見た目は全くの別人になっていたという。
中共が優先するのは中国国民の安全ではない
日本で、警察は正義の味方だ。しかし、中国では必ずしもそうではない。現代中国で起こっている事は、日本では想像もできない事がたくさんある。あの国で生き延びるには、日本の常識は通用しないのだ。
中国では警察は必ずしも人民の安全を守る機関ではなく、共産党を守る機関となっている。中国共産党にとって、ある事件が法律に則っているかどうかは問題ではない。ただ法が党の安定、存続に資するものかどうかが問題なのだ。
大紀元の社説「共産党についての九つの論評」【第一評】共産党とは一体何ものか、には以下のように記されている。
「共産党が政権を発展させ維持してきた歴史において、昨日まで堅持していた原則を今日放棄し、明日また改変するといったことは、これまでに何度もあった。しかし、如何に改変しようとも、共産党の目標は明確である。それはつまり、政権を奪取し維持することであり、社会権力の絶対的独占を享受することである」
中国共産党政権下にある中国人民は不幸であるが、今回の事件のように政権崩壊の兆候はあちらこちらに見え始めている。
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