中国は今、不動産業のどん底不振、金融の崩壊、経済の破綻、社会秩序の崩壊、失業者の爆発的増加、疫病の蔓延など、どれをとっても国の根本を揺るがす大問題を抱えている。
そうした切迫した状況から、人々は近年中国で相次いだい古書でいう「王朝終焉の兆し」とされる「幻日」や「赤い空」などの異常現象をより深刻に受け止めている。
相次ぐ異常現象
12月4日、中国河北省・石家荘市(せっかそう-し)の空に太陽が同時に2つ並んだ。
午前8時前に撮影された当時の動画のなかには、天空の東と西にそれぞれ太陽が1つずつ眩しく大地を照らしていた。
この映像が撮影された翌日の12月5日の同じ時間に、同国内モンゴル自治区の赤峰市(せきほう‐し)でも、大小一つずつ、計2つの太陽が観測された。
これに先立ち、12月3日には黒竜江省黒河市(こくがし)遜克県(そんこくけん)で「3つの太陽」、11月29日に内モンゴル自治区根河市(こんが-し)でも「3つの太陽」が観測されていた。
「3つの太陽」は約4年前の2020年12月29日(午前9時過ぎ)には北京市でも観測されていた。
最近、「2つの太陽」が観測された石家荘市(せっかそう-し)でも、約4年前の2020年10月28日の午前9時にも、「2つの太陽」が観測されていた。
ほかには「3つの太陽(2024年7月26日、四川省遂寧市)」、「7つの太陽(2024年8月18日、四川省成都市)」、「2つの月(2024年8月18日、遼寧省瀋陽市)」、「赤い空」といった異常現象も各地で相次いで観測されている。
「いよいよ王朝滅亡か」
空に太陽が同時にたくさん現れる現象は俗に、「幻日(げんじつ)」と呼ばれ、自然現象の1種とされる。
しかし、中国唐代の有名な予言者・李淳風(りじゅんぷう) は「王朝滅亡を告げる凶兆だ」と予言しており、多くの中国の古書のなかにも同様の記述がみられる。李淳風は正史にも記録されている人物だ。
「空が血の色に染まる」現象については、李淳風が書いた『乙巳占(おつみせん)』のなかで、「戦禍や流血などの不吉な兆候だ」と指摘する記載がある。古書でも、このような現象は往々にして「王朝末年に起こる」と書かれている。
相次ぐ異常現象や古代からの言い伝え、そして近年荒む一方の社会環境のなかで、中国国内の民衆も「そろそろ時代が変わる」ことを言葉に出して口にしなくても、身でそう感じている人も少なくない。
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