石破茂首相は3日、参院本会議で有機フッ素化合物「PFAS」に関して、水道事業者への検査・公表義務付けなどの管理強化策を来春をめどに取りまとめる考えを示した。時事通信社が報道した。
「PFAS(ピーファス)」とは1万種類以上あるとされる有機フッ素化合物の総称で、「PFAS」のうち「PFOS」「PFOA」は有害性がある事が指摘されている。
日本ではPFOSとPFOAの2つの物質の合計を水道水1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)とする暫定目標値が設定されている。
世界の基準を見てみると、アメリカでは今年4月、飲料水におけるPFASの含量が定められ、PFOSとPFOAの基準値はそれぞれ1リットル当たり4ナノグラムとした。
また朝日新聞によると、水道水1リットル当たりのPFOSとPFOAの基準値は、イギリスやドイツ、WHOではそれぞれ100ナノグラム、カナダではPFOSが600ナノグラム、PFOAが200ナノグラムと設定されている。
環境省と国土交通省は11月29日、PFASについて、水道水の含有量に関する初の全国調査結果を公開した。調査は令和2年度~令和6年度9月30日時点までの結果を記載しており、PFOS及びPFOAの水質検査を実施した事業の数は毎年増加している。(令和2年度466、3年度801、4年度:869、5年度:1325、6年度:1745)
またPFOSとPFOAの暫定目標値を超過した事業数は年々減少している(令和2年度11、3年度5、4年度4、5年度3、6年度0)。
環境省と国土交通省は、今後水道においてPFOS 及びPFOA の暫定目標値の超過が確認された場合は、引き続き連携し、水道事業者等により適切な対応を速やかに図れるよう取り組んでいくとした。
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