林芳正官房長官は26日の記者会見で、共同通信が生稲晃子外務政務官が参院議員就任後に靖国神社を参拝したとする記事を訂正したことに関し、「事実に基づかない報道がなされたことは極めて遺憾」と述べ、共同通信に事実関係や経緯の説明を求める意向を示した。
生稲外務政務官は24日、新潟県佐渡市で開かれた世界文化遺産「佐渡島の金山」の朝鮮半島出身者を含む労働者の追悼式に日本政府の代表として参加していたが、韓国政府は参加を見送った。韓国メディアによると、不参加の理由について、生稲晃子外務政務官が2022年8月15日に靖国神社を参拝したとの報道だという。韓国外務省は「生稲議員が22年8月15日に靖国神社を参拝したものと承知している」とコメントしていた。
共同通信は、生稲晃子外務政務官が2022年8月15日に靖国神社を参拝したという記事について、訂正および謝罪をするとともに、「本人に確認取材をしないまま記事化した」「再発防止策を徹底する」と説明。日韓外交に影響した可能性があるとの認識を示した。
共同通信は、当日参拝した複数の自民党議員が共同通信に「生稲氏はいなかった」と述べたことに加え、生稲氏自身が否定したことにより、当初の報道を誤報と判断したと明かした。
林氏は、「誤報により生じた混乱について、林官房長官は日韓間の重要な問題にも影響を与える可能性がある」と懸念を示したうえで、今後も緊密なコミュニケーションを続けることの重要性を強調した。
韓国外務省は25日、不参加の理由について、追悼の辞の内容などをめぐり合意水準に及ばなかったことが重要な考慮事項だったと説明した。
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