トランプ銃撃事件 他国の要人を暗殺しようとするイランが存在している以上、要人警護はこれまでになく強化されなければ

トランプ前大統領 軍用機の利用要求   バイデン政権は全面支援を表明

2024/10/12
更新: 2024/10/12

最近の暗殺未遂事件とイランからの脅威を受け、トランプ前大統領の選挙チームが軍用機利用を含むセキュリティ強化を要求した。これに応じ、バイデン大統領が前大統領に対する全面的な支援を政府に指示すると述べた。今回の措置はアメリカ近代史上初めてであり、選挙期間中の安全対策が一段と強化される見通しだ。

トランプ前大統領の選挙チームは、二度の暗殺未遂事件とイランからの暗殺脅威に直面し、セキュリティレベルの引き上げを要求していた。彼らは、トランプ氏の軍用機や大統領山荘キャンプデービッドで使用される車の利用を可能とし、居住地や集会地の飛行制限の拡大を求めている。バイデン大統領は、トランプ氏が必要とする全てを政府に指示すると述べている。

10月11日、セキュリティレベルの強化要請について尋ねられたバイデン大統領は、これらの要求を満たすべきだとし、「彼がF-15戦闘機の出動を要求しない限り問題ない」と言った。

バイデン氏は、「私は政府に、彼が現職の大統領のように全ての要求を満たすべきだと伝えた。条件を満たすのであれば、問題はない」と指摘した。

11月5日はアメリカの大統領選挙日であり、トランプ氏はここ数週間、全米を飛び回り、異なる飛行機を利用し、宿泊するホテルも普段とは異なる状況だ。

CNNによると、三人の情報筋が伝えたところによれば、トランプ氏のチームは地対空ミサイルの脅威に対処するため、ミサイル防御システムを備えた軍用機の利用を希望しているという。

セキュリティレベルの引き上げは前例を作り、アメリカの近代史において、大統領候補や前大統領が選挙前に軍用機を利用するのは、初めてのことだ。

複数のアメリカのメディアによると、トランプ氏の選挙マネージャーであるスージー・ワイルズ(Susie Wiles)氏は約2週間前に、バイデン氏の首席補佐官であるジェフ・ジエンツ(Jeff Zients)氏と電話をし、セキュリティレベルの強化を求めた。ワイルズ氏は、安全上の理由からトランプ氏が最近、最後の瞬間に、公共イベントをキャンセルせざるを得なかったことがあったと指摘し、彼の選挙計画が脅威にさらされていることを示した。

彼女は、アメリカ政府がトランプ氏を保護するための十分な計画を提供できていないと述べた。ある文書によれば、フロリダ州の共和党下院議員マイケル・ウォルツ(Michael Waltz)氏もシークレットサービスに対し、軍用機の提供やトランプ氏のプライベートジェットに対する追加の保護を求める手紙を送ったことが示されている。

トランプ氏の選挙マネージャー、ワイルズ氏は9月30日にシークレットサービスの代理局長ロナルド・ロウ(Ronald Rowe)氏に対し、セキュリティ強化の正式な要請を行ったことが、電子メールで確認されている。

関係者によると、バイデン氏の首席補佐官ジエンツ氏はすぐにワイルズ氏が国土安全保障省やシークレットサービスの高官と連絡を取れるよう手配し、彼女が直接関係者に接触できるようにした。ジエンツ氏は、バイデン大統領がシークレットサービスに対して、トランプ氏が最高レベルの保護を受けられるよう指示したことを明確に伝えた。

トランプ氏のチームは、トランプ氏が大統領山荘キャンプデービッドで使用する車や、熱監視機能を備えたドローンなどの他の軍事資産を使用できるようにしたいと考えている。

さらに、トランプ氏のチームはシークレットサービスに対し、いくつかの重要なスイング州で、防弾ガラスの盾の備蓄を増やすよう要求した。現在、トランプ氏が屋外集会を行う際、シークレットサービスは防弾ガラスの盾を用いて彼を保護している。

トランプ氏のチームは、地方の警備に対して、さらなる資金提供を求め、シークレットサービス本部に対して行政支援の強化を要求した。

ある連邦執法官は、シークレットサービスが現在トランプ氏のチームの要求に応じており、これらの要求はまず国土安全保障省に提出され、その後国防省やその他の関連機関に引き継がれると指摘した。

先月、トランプ氏のチームは、トランプ氏がバイデン政権の官僚からの報告を受け、イランからの「真実かつ具体的な暗殺の脅威」を理解したと述べた。

その際、トランプ氏の広報担当であるスティーブン・チャン(Steven Cheung)氏は、アメリカ国家情報長官の代表がトランプ氏に対し、イランがアメリカの安定を脅かす計画を立てていると報告したと述べた。彼によれば、情報官が確認したところ、これらの継続的かつ調整された攻撃は、過去数か月間に増加しているという。

陳霆