伝説のボクサー マイク・タイソン 31歳年下の対戦相手に早期KOを予想

2024/10/12
更新: 2024/10/12

地球上で最も恐れられている男として知られるマイク・タイソン(別名アイアン・マイク)は、ボクシング史上最も偉大で恐れられたノックアウトアーティストだ。

彼のプロ勝利50回のうち44回がKOによるものだが、タイソンは58歳であり、20代や30代の頃と同じであるわけではない。それにもかかわらず、来月31歳年下のジェイク・ポール(27歳)と対戦するタイソンは、多くの試合と同様に、この試合も早期KOで終わることを予想している。

10月10日の記者会見で、タイソンは11月15日にリングに上がる際、ボクシングファンは何を期待できるのかと質問された。

 「もし追いかけなくてもいいなら、第1ラウンドでノックアウトを期待していいよ」

「でも、もしかすると相手を1~2ラウンド追いかけることになるかもしれないね」とタイソンは答えた。

タイソンのプロ勝利44回のうち、23回は第1ラウンドでのKOで終了している。タイソンが予想するようにポールとの対戦でも同様の結果になる可能性は高い。早い段階でタイソンを避け、長期戦に持ち込むことはポールにとって最善の策であることは間違いない。経験値の差を考慮すれば、それが若いファイターとしての理にかなったアプローチだ。

タイソンのプロ戦績は58戦だが、2020年にプロデビューしたユーチューバーからボクサーに転身したポールの戦績はわずか11戦。ポールはキャリアの中で一度もノックアウトされたことがなく、実際に10勝のうち7勝でKO勝ちを収めている。

しかし、タイソンには1ラウンドでポールをノックアウトしないインセンティブがある。タイソンが1ラウンドでのノックアウトを予想したわずか2日前、ポールはTikTokに動画を投稿し、試合が4ラウンドを超えた場合、タイソンに多額のボーナスを支払うと申し出た。

「マイキー(タイソンの事)、マイキー、もし俺と4ラウンド以上もちこたえることができたら、500万ドルのボーナスをくれてやる。でも、できなかったら、『ジャイク・ポールが大好き』というタトゥーを入れなきゃいけない。どうする?」とポールは言った。

多くのボクシング専門家は、タイソンの高齢と、2006年以降の彼の唯一の試合が2020年のロイ・ジョーンズ・ジュニアに対するエキシビションであったという事実を考えると、タイソンの勝機は早い段階でノックアウトを狙うことだと考えている。

ポールとの持久戦には勝てないだろう。つまり、ポールが500万ドルの「ニンジン」をタイソンの前にぶら下げることは、元ヘビー級チャンピオンに試合の早い段階で彼の伝説的なパンチ力を見せないようにするための戦略的な動きだ。

タイソン対ポールの試合は認可されたプロヘビー級試合だが、ルールには修正が加えられている。試合は通常の12ラウンド(1ラウンド3分)ではなく、8ラウンド(1ラウンド2分)で行われる。また、選手たちは14オンス(396.9 g)のグローブを使用することになり、これも大きな変更点だ。

ほとんどのヘビー級ボクサーは10オンス(283.5 g)のグローブを使用しており、これにより早く、強力なパンチが打てる。より大きく、詰め物の多いグローブは各選手のパンチ力を減少させ、ノックアウトや大きなダメージの可能性を低くする。これは、タイソンが勝利するための最大のチャンスである一発を放つ可能性を低くするため、ポールに有利だ。

試合が4ラウンドを超えるとポールは500万ドルを失うことになるが、彼はこの試合で合計4千万ドルを稼ぐと述べているので、それだけの価値があるかもしれない。

翌月、テキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムでリングに上がると、タイソンの最後のプロ勝利から21年以上が経過している。二度のヘビー級チャンピオンに輝いたタイソンが最後にそのタイトルを保持していたのは1996年11月であり、これはポールが生まれる2か月前のことだ。

その後の数十年間、タイソンは娘の死や薬物有罪判決、そして最近では2024年5月に飛行機内での潰瘍発作など、様々な個人的な問題を抱えてきた。このため、ポールとの試合は7月から11月に延期された。

一方、タイソンは今、メンタル的にかつてないほど良い状態だと述べており、ボクシング界で君臨していた頃よりもさらに良いと考えている。このメンタル状態が、今年最も期待されるスポーツイベントの一つに再びリングに上がる意欲を与えている。

「1980~90年代に戦っていた頃は、あまりにもストレスが多かった」というタイソンは「チャンピオンシップを楽しむ余裕もなく、訴訟や離婚などすべてが私に襲いかかってきた。人間として楽しむことができなかった。この瞬間は、人間として楽しむことができる時だ。今の方が、その頃よりも人生のスキルが向上している」と語った。

関連特集: 米国