公正取引委員会は7日、G7競争サミットで採択された共同宣言を発表した。生成AIの開発資源が一部の企業に集中され、競争上の懸念が生じていると指摘した。利用可能な法執行と規制手段を活用し、競争を守るという共通の目標を再確認した。
G7競争当局は10月3、4日にローマでサミットを開催し、日本公正取引委員会の古谷一之委員長が出席した。
サミットで採決されたデジタル分野の共同宣言では、生成AIの開発に必要な資源、人材、データなどへのアクセスが競争上のボトルネックとなり、「新規参入が困難となって、先行者有利となる可能性がある」と指摘されている。また、大きな支配力をもつ企業が自身の地位を固定化し、又は、その市場支配力を隣接するAI市場に拡張する危険性が懸念される。
共同宣言はAI市場における競争上のリスクが社会に密接に関係し、社会の重要な側面に波及する可能性があるとしている。
「AI製品の開発やAI市場の形成はまだ初期段階にあるものの、市場支配力の集中による潜在的な社会リスクや、AI技術を利用した共謀の可能性に対しては、慎重な対応が求められる」と認識している。
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