トヨタがDEIポリシーを縮小 従業員の専門的な成長を優先

2024/10/06
更新: 2024/10/06

トヨタDEI多様性、公平性、包括性)活動の一部を縮小し、LGBTイベントのスポンサーシップを停止し、外部のDEIランキングから撤退することを発表した。

トヨタ自動車株式会社は、DEIの取り組みを大幅に変更し、LGBTイベントのスポンサーシップを停止し、外部のDEIランキングへの参加を縮小することを発表した。

この変更は、米国全土での同様の企業の動きに続くものである。

10月3日に米国の従業員とディーラーに送られた通知で、トヨタはプライドパレード(LGBT活動を称賛するパレード)などの、STEM(科学・技術・工学・数学)教育や労働力に焦点を当てた取り組みから外れた文化イベントを支援しないことを明らかにした。

また、トヨタビジネスパートナリンググループを再編成し、これらの活動が専門能力開発、ネットワーキング、メンタリングを優先するとともに、会社のビジネスの推進と明確に連携することを目指すとしている。

会社の幹部は「STEM教育と労働力のための準備に沿ったコミュニティー活動に絞る」と通知に書いている。「その結果、STEM教育や労働力の確保に関連しない祭りやパレードなどの文化イベントのスポンサーシップを終了する」と付け加えた。

通知の中で、トヨタは以前DEIへの取り組みで完璧なスコアを獲得していたヒューマン・ライツ・キャンペーンの企業平等指数など、第三者の文化調査への参加も終了することを約束している。

トヨタは、反DEI活動家のロビー・スターバック氏によるソーシャルメディアキャンペーンを受けて、変更を発表した。スターバック氏は先週、企業施設でのLGBTイベントの開催、DEI研修の義務付け、人種や性的指向による従業員グループの分割などを含め、「ウオーク(WOKE=社会問題などに対する意識が高い」ポリシーに焦点を当てている企業としてトヨタを批判していた。

これまでトヨタのポリシーはDEIへの強いコミットメントを反映していた。

2024年6月に更新された最新のサステナビリティ(持続可能性)計画には、人種、性別、性的指向に基づいて労働力の構成を変えることを目的とした多様性の取り組みが含まれている。

この計画には、2014年と比較して2030年までに管理職の女性の数を5倍に増やすなどの女性スタッフの採用目標が含まれている。また、「無意識の偏見」トレーニングや、管理職の進捗を追跡するためのDEIスコアカードなどの取り組みも強調されている。

スターバック氏は、トヨタが主要な顧客ベースを見失ったと主張し、トヨタの顧客は同社のさまざまなDEIプログラムに反対の声を上げるべきだと述べた。

10月3日のメッセージで、スターバック氏はトヨタの新たに発表したDEI関連の変更を彼の以前の投稿にリンクさせた。スターバック氏は以下のように書いている。

「この統一的な行動を取ったことに対して、幹部たちに感謝しなければならない」

「これは簡単なことではないが、企業の中立性を採用することで将来の成功に備えている。中立性を採用する企業は、彼らが依存する消費者の核心的な信念を侵害しないため、将来勝利するだろう」

トヨタは、DEIポリシーの変更についてのコメントの要請には応じなかった。この要請には、木曜日(3日)の通知がスターバック氏のキャンペーンに対する反応であるかどうかの確認も含まれていた。

同社がDEIポリシーの一部を再調整することは、米国企業における大きなトレンドの一環だ。米国では、企業が社会的活動から核心ビジネス目標へと焦点を移すよう、社会的圧力の高まりに直面している。

キャタピラー、フォード、ハーレーダビッドソン、ディア・アンド・カンパニー、モルソン・クアーズなどの企業は、最近数か月の間にDEIへの取り組みを縮小している。

ヒューマン・ライツ・キャンペーンは、DEIからの最近の企業の撤退の波を批判し、これらの行動が企業のビジネス成功や「多様な労働力」を引き付ける能力に悪影響を及ぼす可能性があると述べている。

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。