社会問題 両手に中華包丁!

【動画あり】市場に包丁振り回す狂気の男 公安警察官に切りつけ=中国

2024/09/14
更新: 2024/09/14

広東省深セン市の市場で12日夜、両手に持った中華包丁を振り回す狂気の男が暴れ、公安が切りつけられ負傷した。その後、男は警察によって取り押さえられた。

SNSに投稿された現場の複数の動画のなかには上半身裸で、ある店の前で大声を上げて悪態をつき、露店を叩き壊す小太りの男の姿があった。

別の動画では、男は駆け付けた公安に立ち向かい、暴動鎮圧の盾を持った公安1人の頭部を切りつけた。その後、男は取り押さえられ逮捕された。男は現場付近の肉屋で働いており、その日酔っぱらって店の包丁を持ち出して振り回していたという。

官製メディアによると「現場に負傷した市民はいなかった」として、ネットでは「確か市民は負傷者していない、負傷したのは公安だ」「公安が切り付けられたと知った庶民が歓声を上げないための文字遊び報道か」といった声が相次いだ。

 

(事件当時の様子)

 

言行を慎み「薄氷の上を歩くように」

中国では近年、暴走車がわざと人混みへ突っ込むなど「社会への報復」を意図したとみられるような凶悪事件も含め、中国社会の邪気がもたらす悲劇は、ほとんど毎日起きている。

言わば、中国社会全体が、真っ黒な邪気に満ちているのだ。この邪気を、中国語では「戻気(リーチー)」と呼ぶ。

華人圏のSNSには「今の中国社会は邪気が満ちている。人と衝突を起こすな」といった趣旨の動画はSNS上に様々なバージョンのものがある。

どれも「あなたの相手や周囲の誰かが精神的に突然キレて凶悪犯に豹変しないよう、あなたが十分注意しなさい」と呼びかける内容で、下記にその一部内容を紹介する。

 

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「今の社会では、邪気の強すぎる人があまりに多いのです。そうなった原因はさまざまです。失業した、破産した、住宅ローンの支払いを中止した(購入した住宅の建築工事がストップしたので、もう諦める)などなどで、人々はますます憂鬱になり、不安になっています。なかには精神的に崩壊寸前の人も少なくないでしょう」

「だから、あなたの言葉や行動一つが、ラクダの背骨を折る最後のワラ(ある物事が、耐えることのできる限度を超えてしまうきっかけとなった物事を意味する表現)になりかねないのです。あなたの周りにいるそのような人たちが、どんな極端なことをしだすか、あなたには、全く予想不可能なのです」

「ですから、外へ出た時は、できるだけ我慢して、対立を激化させないように、冷静になることが必要です。物事は往々にして、我われが掌握できる範囲の内にはありません。自分の命は一つしかないのです」

「いかなる人の前でも、またどんな場面であっても、決して人前で自慢話をしないように。今の社会は、多くの人が心の奥に吐き出せない怒りを抱えています。あなたの心無いちょっとした言動、ひいては友好的ではない視線一つさえも、誰かを刺激しかねません」

「警備員、宅配業者、食事デリバリースタッフなどに対しては、本当に礼儀正しく、笑顔で接してあげなければなりません。なぜならば、彼らは職業の性質上、この社会で多くのストレスを受けているからです。ラクダの背骨を折る最後のワラにならないように。さもなければ、彼らの不満や怒りはすべてあなたに向けられかねません」

「車を運転するときや列に並ぶ時は、割り込みをしない。公共の場で電話しない。大きな声でしゃべらない。誰かにぶつかった時は、すぐに謝る。エレベーターに乗る時も(先を争わず)できるだけ後ろに立つ。言行を慎み、薄氷の上を歩くときのように緊張感を持つことです」

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いずれも「人との争いを起こさないようにする心得」だという。正常な社会であれば当然のマナーや常識だが、今の中国においては「焼け石に水」の感は否めない。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!