米国で揺れる性的指向差別に対する法的判断 控訴裁判所が州法に対する訴訟を復活

2024/08/16
更新: 2024/08/16

ワシントン州のクリスチャン団体が州の偏見のある法律によって被害を受けていると指摘したことを受け、連邦控訴裁判所は8月12日に下級裁判所の決定を覆し、州当局に対する団体の訴訟を復活した。

ワシントン州ヤキマのユニオン・ゴスペル・ミッション(以後 UGM・ワシントン州 ヤキマのホームレス保護施設)は、雇用主が性的指向に基づいて差別することを禁じたワシントン州差別禁止法について提訴した。

UGMは従業員に対してクリスチャンのライフスタイルと信念に従うことに同意する用紙を配布していることを理由にこの法律は違憲であり、自分たちも影響を受けていると主張している。

この用紙には「男女の結婚の中でのみ性的行為を行うこと」という条件が含まれていた。

訴訟によると、同団体は起訴の脅威から職業募集の掲載・採用を一時的に停止し、従業員の要件をオンラインで公開しないことを決定した。この法律は「ミッション(UGM)の宗教的実践と言論を抑制し、ミッション(UGM)がその信念を表明し、それを実践する信者を雇用することができない日々に、取り返しのつかない損害を与えている」と主張。

2023年、アメリカ合衆国地方裁判所のメアリー・K・ディムケ判事は、この訴訟はワシントン州最高裁が確立した判例の見直しを求めるものであり、管轄外であるとして、訴えを却下した。

この判例では、キリスト教団体が同性愛関係にある男性を雇わないことを決定した際に法律に違反したとされている。

しかし、アメリカ第9巡回区控訴裁判所の判事団(パネル)は、8月13日にディムケ判事がこの訴訟を却下すべきではなかったと述べた。

判事団は、UGMが法律によって自己検閲を強いられており、同団体が州の結婚とは男女間のものであるという信念に基づいて雇用を続ける場合、州政府によって起訴される可能性があると示した。

また、こうした懸念は、州政府はUGMに対して法律を施行しないという約束を繰り返し拒否してきたことに基づいていると判事団は述べた。

今回の控訴裁判所の決定は、ディムケ判事による訴訟の却下およびミッションの仮処分の申請に対する却下を覆した。

判事団は、訴訟を再検討するよう、連邦地裁判事に事件を差し戻し、ディムケ判事に対して仮処分を検討するよう指示した。

判事団には、米国巡回裁判所のミラン・D・スミス・ジュニア裁判官、マーク・J・ベネット裁判官、アントニー・D・ジョンストーン裁判官などが含まれている。

ロバート・ファーガソンワシントン州検事総長の広報担当者は、コメントのリクエストには応じなかった。

自由防衛同盟(Alliance Defending Freedom)のライアン・タッカー上級顧問は、声明の中で控訴裁判所が「下級裁判所の却下を正当に覆し、ミッションが連邦裁判所で憲法上の権利の保護を追求することを許可した」と述べた。

メリーランド州に拠点を置く大紀元のシニアリポーター。主に米国と世界のニュースを担当。