社会問題 熱中症で倒れる人も

【動画あり】「シャトルバスが来ない!」 中国で猛暑の中、徒歩で山道を数時間歩かされる観光客

2024/08/05
更新: 2024/08/05

 

3日、中国にある「ゴムボートでの川下り(ラフティング)」で著名な景勝地「紅河渓谷(遼寧省撫順市)」で観光客による「大暴動」が起きた。

「お金を払い、散々待たされたあげく、ラフティングできなかった」、「ラフティング後にシャトルバスが来ず、炎天下のなかで立ち往生し、あげくには山道を数時間歩いて自力で戻るはめになった」などと不愉快な経験をした観光客たち。

さらには、「景勝地では払い戻しに応じてくれない」「スタッフすらいない」という事態に、怒りを爆発させた観光客たちは、チケット売り場を破壊し、「返金しろ」とチケットの払い戻しを求めて声高に抗議した。

ラフティングを終えた地点で、帰りのシャトルバスが数時間待っても来ず、猛暑のなかを数キロ歩いて戻る途中で、熱中症や低血糖発作をおこして倒れる人が続出したという。

 

チケットの払い戻しを求めて抗議する観光客(SNSより)

 

中国メディアの取材に応じた3日の「ラフティング後の立ち往生」を経験した観光客の1人は、その時の様子についてこのように明かした。

「その日の午後1時ごろにはラフティング終えたが、終点でずっと足止めを食らう羽目となった。そこにはシャトルバスを待つ、大勢の観光客が長蛇の列を作っており、しかも休憩所がなかったため、人々は地べたに座り込んで待つしかなかった。2時間以上(午後3時40分まで)シャトルバスの到着を待ち続けたが、来ないと聞いたため、他の人たちと一緒に歩いて戻った」

「5.2キロに及ぶ帰り道の徒歩時間はナビでは1時間16分と表示されたが、実際には2時間以上かかった。しかも、すべて山登りの上り坂ばかりだ。ビーチサンダルを履いていた観光客も多く、歩くのは本当に大変だった。やっとの思いでたどり着いたチケット売り場には、スタッフは誰1人いなかった。怒った観光客たちいは、チケットの払い戻しを声高に叫んだ」

別の観光客は、せっかく景勝地に行き、長く待ち続けたのに、「ラフティング」できなかったとがっかりした様子。「午後3時に景勝地に着いた時には大勢の他の観光客が足止めを食らっていた。漂流のスタート地点で2時間半待ち続け、「ラフティングの中止」を告げられた」という。

中国メディアが一部観光客の話を引用して報じたところによると、景勝地側は「影響(被害)を受けた」観光客に対するチケットの払い戻しを約束したそうだ。

中国の観光地等級のなかで最高から1つ下のランク(「国家4A級」)に認定されている「紅河渓谷」は、豪雨の影響を受けて数日間の閉鎖を余儀なくされていた。その後天候回復により、観光客が急増し、うわさでは2万人を超える観光客が殺到したという。しかし、景勝地の平常時は、観光客数は1日わずか千人程度だそうだ。

「これ以上宣伝するな! 受け入れ能力がないならば入場制限すればいいのに!」とネット上でも非難が殺到している。
 

 

 

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!