米議会議事堂事件で最高裁から画期的な判決

2024/07/01
更新: 2024/07/01

米最高裁判所は6月28日、「司法妨害」の罪に対する適用範囲を狭めることにより、「1月6日の議会議事堂事件」に関わった人々にとって、有利な判決が下された。

6月28日、最高裁の裁判官たちは6対3の票差で、下級裁判所の判決を覆す決定をした。下級裁判所は、「1月6日の事件」に関与したとされる元ペンシルベニア州の警察官ジョセフ・フィッシャー氏が「公務執行妨害」に当たるとの見解を示していた。これは、2020年の大統領選挙でバイデン氏の勝利を正式に認める議会の手続きを妨害しようとした行為に結びついている。

フィッシャー氏に対する訴えは当初、ワシントンD.C.の連邦裁判所で却下されたが、控訴裁判所がその判断を覆した。これに対し、フィッシャー氏は最高裁に上訴を行った。

最高裁のジョン・ロバーツ首席裁判官は、裁判の意見書で「公務執行妨害」に対して検察側の法の適用に問題があり容認できない、狭義の解釈を採用していると指摘した。検察側は、被告が認証を妨害したことを証明しなければならないと指摘したというプロセスに関係する文書や記録が有罪判決につながる可能性があると述べた。

このロバーツ氏の意見に保守派の4人の裁判官とリベラル派の1人の裁判官が、賛同した。

この最高裁の決定は、「1月6日の事件」で起訴された約350人の被告人に影響を及ぼす可能性があり、さらにジャック・スミス特別検察官が提出したトランプ前大統領に対する2つの訴訟にも影響を与える可能性がある。

6月28日には、最高裁がさらに2つの重要な案件について判断を下した。その中の1つで、最高裁は40年前の重要な判例である「シェブロン法理」の決定を覆した。同判例は連邦機関が適切と考える方法で法律を解釈することを許すというものだったが新しい決定では、法律の文言が不明確な場合、連邦機関は法律を解釈する権限を持たなくなる。

他にも最高裁判所は、都市が西海岸のホームレスの野宿を禁止することができるという判断を下した。オレゴン州グランツパス市は、公共の場での野宿をするホームレスに対して罰則を科すことができる。

さらに、最高裁は7月1日に、トランプ前大統領の恩赦権についての控訴案件に対して判決を言い渡す予定だ。