元アメリカ麻薬取締局(DEA)のエージェント、デレク・マルツ氏は、億万長者であり技術者のイーロン・マスク氏が自身のビジネスと技術の才能、リソースを使ってアメリカの国境警備を強化するアイデアを支持している。
ウォールストリート・ジャーナルは5月29日に、トランプ前大統領が2024年の選挙で返り咲きを果たした場合、イーロン・マスク氏を政権の顧問に考えていると初めて報道した。報道によると、この提案ではマスク氏が経済や国境警備を含む幅広いテーマに関して意見を提供するとされている。
マルツ氏は29日に、NTDの「キャピトル・レポート」のインタビューで、アメリカの国境警備と国境越えの麻薬取引について語り、トランプ氏とマスク氏の関係が深まっていることを歓迎した。
マルツ氏は「彼の才能とリソースを活用すれば、最先端の技術を導入し、メキシコのカルテルで有害なフェンタニルやその他の薬物を製造する能力を大幅に削減できる——この点を強調する」と述べている。
元DEAエージェント・マルツ氏は、新しい検出技術を取り入れることが、強固な国境警備政策に不可欠だと強調した。
「技術、ドローン、その他の先進技術やスキャニング技術など開発が可能で、すでに存在するものが必要です」とマルツ氏は指摘した。
バイデン大統領は、今年の初めに新たな国境警備の資金提供を求める要請を、他の追加予算案と一緒に提出した。提案には、米国の国境・入国管理職員を増員するための資金や、米国南部の国境の入国地点に薬物検出システムを導入するための資金が含まれている。
しかし、この追加予算案の国境警備に関する部分は、共和党議員らが国境・移民政策の改革が十分ではないと反対したため、成立できなかった。
マスク氏は、将来の政権で国境警備政策に関するアドバイザリー役を務めることについてトランプ前大統領と話し合っているという報道について、まだ直接コメントしていない。
SNSは意識を高めるべき
マルツ氏は、米国政府が国境地帯での技術革新を進めることを直接支援するだけでなく、マスク氏はフェンタニルに関連する健康リスクにもっと世間の注目を集めるなど、他の方法でも支援できると述べた。
EVや宇宙技術の先駆者であるテスラやスペースXを率いるマスク氏は、ソーシャルメディアアプリ「X」(旧ツイッター)を所有することで、世論に影響を与える力を持っている。
マルツ氏はイーロン・マスク氏のような天才がチームに参加するのは素晴らしいことだ。もしマスク氏が今電話に出たら、フェンタニルによる致命的な中毒に関するソーシャルメディアの動画を投稿するよう彼にお願いしたい」と語った。
同氏は、公衆の認識不足がアメリカでのフェンタニルによる過剰摂取死が増加した大きな要因だと強調した。
「今のところ、アメリカの若者や市民はその重大さを十分に理解していない。私たちは依然として多くのアメリカ人を失っている。この問題をソーシャルメディアで広めなければならない。TikTok、Instagram、Snapchatなど、子供が利用しているところに届ける必要がある」
マルツ氏は、SNSプラットフォームやインフルエンサーが意識を高める有力な手段になり得るとしながらも、麻薬密売人たちがSNSを巧みに利用し、オンラインプラットフォームを通じて若年層の顧客と接触し、麻薬を容易に流通させている現状を指摘した。
「私が若い頃は、ヘロインを手に入れたければ、危険な暗がりに足を運ばなければならなかった。だから子供たちはそんなことをしなかった。しかし今は、マウスをクリックするだけで自宅に届けられ、Cash Appや他の決済アプリで支払いができるので、非常に簡単だ。その結果、麻薬カルテルは我々の寝室にまで入っている。この事実を見過ごしているアメリカの親や親戚たちに警鐘を鳴らすべきだ。なぜなら、彼らはあなたの家庭のプライバシーを侵害しているから、憤りを感じるべきだ」
NTDより
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