「無実の母親を今すぐ釈放して」 法輪功学習者ら、中国大使館前で弾圧停止求める

2024/05/29
更新: 2024/05/29

中国共産党によって不当に拘束された法輪功学習者である母親の王乖彦(おう・かいげん)さんの釈放を求めて、日本在住の張一文(ちょう・いちぶん)さんは5月28日、中国大使館前で公開状を読み上げた。中国人権問題に取り組む丸山治章逗子市議も応援に駆けつけ、中国共産党の法輪功弾圧を糾弾した。

「私の母親と他の拘束された法輪功学習者を直ちに釈放しなさい」。張一文さんは中国大使館の前に立ち、こう呼びかけた。

張一文さんの母親は今年4月11日、何ら罪を犯したわけでもなく、法輪功学習者であるという理由だけで、陝西省宝鶏市の友人宅で拘束された。しかし、中国共産党は当初、王乖彦さんが拘束されたことを家族に知らせなかった。拘束の事実が発覚したのは、監禁施設内で生活用品を買うためのお金が必要になったという事務連絡だった。

中国共産党は1999年から法輪功学習者に対する迫害を始めた。秘密裏に拷問や臓器摘出を続けているが、表向きにその事実を認めることはなかった。カナダの人権弁護士デービッド・マタス氏らの調査によると、中国では監禁された法輪功学習者から臓器収奪が行われ、年間6万から10万件の違法な臓器移植が行われている。

中国における臓器移植を考える会(SMGネットワーク)で代表を務める丸山治章逗子市議は取材に対し、「中国の法輪功学習者たちは体を鍛えて人格を磨いているのに、どうして強制収容されるのか全く理解できない」と強調した。

中国国内で活動する人権弁護士も、中国共産党による法輪功弾圧は違法であると指摘してきた。河南省の高承才弁護士は2018年7月、検察院と北京市刑務所監察委員会に宛てた訴状のなかで、「法輪功の学習者を信条を理由に刑事告訴するのは法的誤りであり、逮捕や起訴は権力濫用罪にあたる」とした。北京の余文生弁護士は、中国当局は14団体をカルト指定しているが、そのなかに法輪功は含まれておらず、当局の拘束に法的理由がないとしている。

張一文さんは、信条を理由にした拘束は不当であると訴え、読み上げた公開状を大使館のポストに投函した。中国共産党の手口について、「母親が拘束されたことを家族は知らなかった。中国共産党は『法治』を掲げるが、司法のデュープロセスが全く守られないではないか」と語った。

王乖彦さんは1998年に法輪功の修煉を始めた。以前は些細なことにもこだわる人だったが、修煉後は心が穏やかになり、心臓病の症状も改善した。「母は法輪功の修煉によって、寛容さや慈悲の心、道徳を重んじる人になった」と張一文さんは語った。

中国共産党の迫害を受けても、王乖彦さんは恨みを抱いたことはなかった。

「母は7年前にも拘束されたが、その時の法廷での陳述で、『法輪大法の信念を迫害する行為は犯罪にあたるので、その罪を犯して悪業を積まないでほしい』と役人に呼びかけ、迫害停止を訴えていた。母の慈悲深さと真相を伝える姿勢は、裁判官や検察官に深い感銘を与えたそうだ」

迫害開始から四半世紀という節目を迎えるなか、日本政府も行動を起こしている。2021年に続き、法務省は2023年末に2例目となる法輪功学習者の難民認定を行なった。

国際社会も中国共産党による法輪功迫害を厳しく非難してきた。欧州議会は1月18日、中国共産党による法輪功学習者への迫害を非難する決議を採択した。これには日本の議員も声を挙げ、「人類史上最悪のジェノサイドに見て見ぬふりをしてはならない」と訴えた。

丸山治章氏は「中国の法輪功学習者は命懸けで活動している。ぜひ諦めないで一緒に頑張っていきたい」と励ましのコメントを送った。

大紀元日本 STAFF
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