2024年リトアニア大統領選で現職ナウセダ氏が再選

2024/05/27
更新: 2024/05/27

リトアニア共和国は、2024年5月26日に大統領選挙の決選投票を実施した。決選投票において、現職のギタナス・ナウセダ大統領が圧倒的な支持を集め、勝利を宣言することとなった。これにより、ナウセダ氏はさらに5年間、この国家を率いることとなる。

ロイターとAP通信の報道によれば、この選挙戦は特に熾烈を極めた。ナウセダ大統領の主な競争相手は、中道右派の「祖国同盟」に所属する49歳の現職首相、イングリダ・シモニーテ氏であった。シモニーテ氏は初回投票で8人の候補者中、唯一の女性として20%の票を獲得し、決選投票に進出した。

決選開票結果の約90%が集計された段階で、60歳のナウセダ氏が約4分の3の票を獲得しており、シモニーテ氏を大きく引き離している。ナウセダ氏の再選支持率は、リトアニアが1991年にソビエト連邦から独立して以来、最も高いものとなるであろう。

経済学者出身で、かつて北欧のSEB銀行で働いていたナウセダ氏は無所属である。同氏は5月12日に行われた選挙の第1回投票で44%の支持を集め、トップで決選投票に進んだが、過半数に達することはなかった。

首都ビリニュスで開かれた支持者集会では、ナウセダ氏は国防力のさらなる強化を目指す考えを明らかにし、「リトアニアの独立と自由は、壊れやすい船に例えられる。これを大切に守り、損傷から守る必要がある」と強調した。

ロシアとウクライナ間の紛争が続く中、リトアニア国民は不安を抱えており、次なる攻撃の標的になるかもしれないと懸念している。ナウセダ氏は、ウクライナを支持し続ける立場を明確にしており、その政治的姿勢はリトアニアの主流と一致している。

また、ナウセダ大統領とシモニーテ首相は、リトアニアの国防予算を国内総生産(GDP)の2.75%から最低でも3%へ引き上ることを支持している。

一方で、同性のカップルに、法律上の権利やそれに伴う義務などを与え、現行の結婚に類似した関係を公式に認める法案については、ナウセダ大統領は反対の立場をとっており、この問題では意見が分かれている。

リトアニアは半大統領制であり、大統領は外交や安全保障政策を指揮し、軍の最高司令官を務めるとともに、EUやNATOの首脳会議にリトアニア代表として参加するなど、国際的にも重要な役割を担っている。大統領には国内の重要ポストへの任命権もあり、その影響力は広範にわたる。

張婷
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