「中共は何を恐れているのか?」 農民反乱軍指導者像が撤去される=北京

2024/05/26
更新: 2024/05/26

このほど、中国北京市昌平区西関環島にある、明の末期に起こった農民反乱軍の指導者である李自成の彫像が当局によって撤去されたことがわかった。

撤去作業を撮影した動画はSNSで共有され、「中国共産党(中共)当局は何を恐れているのか?」「農民反乱を警戒しているんだろう」といった皮肉なコメントが殺到した。

中国は今、不動産業が不振のどん底にあり、金融の崩壊、経済の破綻、失業者の爆発的増加、疫病の蔓延、異常気象による農業への打撃など、どれをとっても国の根本を揺るがす大問題を抱えている。

そうした切迫した状況に加え、近年では戦禍や王朝の終焉を告げる不吉な兆候や、古くからの言い伝えにあるような「夜空が血の色に染まる」といった「不吉な現象」が各地で絶えず出現している。

現地市民によると、いまや「明の崇禎帝が首吊り自殺した樹」まで監視員がついているという。そのきっかけは、「明朝の終焉」を象徴するその樹に誰かが習近平を崇禎帝(すうていてい)に見立てて、習への侮蔑を表現したあだ名「包子(肉まん)」を吊ったからだという。

北京に攻め入り、崇禎帝を死に追いやったのは今回、彫像を撤去された李自成だった。

昨年10月、明末の皇帝である崇禎帝を題材にした歴史書「崇禎:勤政的亡国君(崇禎帝:勤勉な亡国の君主)」が突如販売禁止となった。その理由は、書名が習近平を連想させるからだという。

事実上の販売禁止となった歴史書「崇禎:勤政的亡国君」(NTD新唐人テレビの報道番組よりスクリーンショット)

 

先月、中国の庶民の間で、宋代に実在した名裁判官「包公」を祭った廟である包公祠にひざまずいて拝み、ひたすら「自身が受けたえん罪や不公正な扱いによる被害」を泣きながら訴えることが一種のブームとなって巻き起こっていた。

この「社会現象」を受け、当局はさっそく事態の収拾に乗り出した。これ以上多くのえん罪が明るみに出るのを防ぐためなのか、あるいは、より多くの民衆がこれを怒りの「はけ口」にすることで、その結果として、民衆の恨みが爆発して収拾がつかなくなり、中国共産党政府にその矛先が向けられることを恐れたからか。

ついに現地当局は「老朽化」と「メンテナンス」を口実に包拯ゆかりの廟や墓を閉鎖するに至った。

画像(左)は北宋時代の清廉潔白で公正無私の名裁判官「包公」を祭った廟(包公祠)で、ひざまずいて拝み、自身が受けたえん罪や不当な扱いを泣きながら訴える中国の民衆。画像(右)は「メンテナンス」を理由に、突然閉鎖された包公祠(SNSより)

「崇禎帝が首吊り自殺した樹」から「包公祠」、さらに今回の「農民反乱軍指導者・李自成の彫像」に至るまで、中共当局は沸騰する国民の不満や怒りの「はけ口」になりそうな、こうした象徴性あるものを、まだ芽が小さいうちに摘み取ることに躍起になっている。

いっぽう、SNS上では「最後の悪あがき」「崩壊が迫っていることは中共自身最もよく知っている」「なんでも封殺するとは、内心どれだけおびえているんだ」と中共をやゆするコメントが増え、同時に、「中共崩壊」を期待する声が日に日に高まっている。

 

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李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!