経済不況が悪化する中国では、企業をはじめ地方政府であっても給料を払えないほどの財政難に陥っている。そのため、「お金の支払いを求めて」の大規模な抗議活動が頻発している。
今月15日、中国河南省では同じ日に2件もの大規模な抗議事件が起きた模様。
SNSに流出した動画のなかには、河南省漯河市臨潁県の政府庁舎の正門前を塞ぐ収穫機の車列や、同省南陽市の道路を封鎖する労働者の姿があった。
現地の情報筋によると、収穫機の車列が政府正門を塞いだのは、政府が長きにわたって「収穫機の補助金を支払っていなかった」のがきっかけだという。
また、南陽市の道路を封鎖した市民は、同市の綿紡績工場で働く労働者で、工場に対して「借金の支払い」を求めての抗議となった。
この綿紡績工場では「高い利子」をちらつかせて労働者たちの預金を集めていたが、2020年に支払えなくなった。元本までも取り戻せなくなった労働者たちは過去に何度も抗議活動を起こしたが、何の成果も得られなかったため、今回こうして道を封鎖したという。
近年、中国全土で大規模な集団事件が頻発している。しかし民衆による平和的な抗議行動は往々にして当局によって「無視される」ばかりか、暴力的な弾圧に遭っている。そのため、政府当局との「正面衝突」へと発展するケースが増えているのだ。
(2024年5月15日、中国河南省漯河市臨潁県の政府庁舎の正門前を塞ぐ収穫機の車列)
(2024年5月15日、中国河南省南陽市の道路を封鎖する労働者)
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