国連の制裁リストに載っている北朝鮮のタンカー「ユソン」号がロシア沖で発見された。国際社会による対北朝鮮制裁違反の監視活動が強化されているにもかかわらず、北朝鮮船舶による違法活動が依然として続いている。
北朝鮮タンカー「ユソン」号がロシア沖で発見されたのは先月11日のことだ。
船舶の位置情報を示す「マリントラフィック」によると、ユソン号はロシアのボストーチヌイ港の南西105キロの地点で位置信号を送った後、姿を消した。
その5日後の16日に日本の島根県近海で姿を現したユソン号は、済州島を通過し、21日に中国海域で消えた。
ユソン号が再び姿を現したのは今月8日で、北朝鮮の南浦港付近の中国海で位置信号を送った後、再び行方をくらませた。
15日現在、日本海で発見されたユソン号は北上しロシアへと向かっているようだ。
3400トン級のユソン号は、2017年の国連安全保障理事会(安保理)の対北朝鮮制裁決議2371号により、資産凍結と入港禁止の対象に指定された船舶だ。
ロシアの港に入港した事実を隠すために位置信号を切ったのではないかという疑問が提起される。
ユソン号の目的地と推定されるボストーチヌイ港は、北朝鮮船舶の違法燃料の港として指摘されている場所だ。
今年3月、英フィナンシャル・タイムズ(FT)は、英王立合同軍研究所(RUSI)から入手した衛星写真を根拠に、北朝鮮タンカーがロシアから精製油を輸送するために、少なくとも5回ボストーチヌイ港を出入りしたことが確認されたと報じた。
カービー米大統領府国家安全保障担当報道官も4月2日の記者会見で、「ロシアが今年北朝鮮に提供した精製油の量は、すでに国連安保理が定めた上限(50万バレル)を超えている」と指摘した。
ロシアの反対により国連安保理専門家グループの活動が先月末に中断して以降、国際社会は対北朝鮮制裁違反の監視活動を強化しているが、北朝鮮のこのような制裁違反の疑いのある行為は依然として行われている。
北朝鮮の違法な制裁活動については、日本のみならず米国やカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、フランスも参加しているが、継続的な北朝鮮の海上活動が確認されている。
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