2023年夏、北半球は過去2000年で最も熱かった 樹木の年輪から気温分析=独研究

2024/05/15
更新: 2024/05/15

科学者たちは、2023年の夏は北半球で過去2千年間で最も暑かったと発表した。ヨハネス・グーテンベルク大学の研究チームは、樹木の年輪から過去2千年分の6月から8月の平均気温を復元し、2023年のデータと比較した。

その結果、2023年の夏の平均気温は、産業革命以前と比べて2.07℃上昇していたことが明らかになった。この異常な暑さには、温室効果ガスによる地球温暖化に加えて、エルニーニョ現象も影響したとみられる。

エルニーニョは太平洋の海水温が上昇する現象で、世界的に気温を押し上げる。研究チームは、地球温暖化がエルニーニョを強めている可能性を指摘している。

研究チームは樹木の年輪の分析から、1850年から1900年の平均気温が従来の推定よりも0.数度低かったことも突き止めた。19世紀のデータが少なく、不確かなためだ。Esper氏は「(今回の発見は)技術的な問題に過ぎない。温暖化の現実は変わらないが、正確な数字を出すことは重要だ」と語った。

4月には、欧州連合のコペルニクス気候変動サービスが、4月の平均気温が観測史上最高を更新したと発表していた。世界気象機関(WMO)も同月、2023年が過去10万年で最も暑い年だった可能性があるとの見解を示している。

研究チームは「世界の様々な地域の樹木年輪を測定することで、もっと昔に遡って気温変化の状況を解明できるはずだ」と話す。ただ、樹木のサンプルを採取する許可が下りないことも多く、研究の進展の妨げになっているという。

この研究結果は英科学誌「ネイチャー」14日付に掲載された。

大紀元日本 STAFF