中国共産党統治下の中国では、裁判官たる者であっても公然と法律に違反し、権力濫用が横行している。
このほど、中国青海省の裁判所の開廷中に、上級裁判所の所長らがリアルタイムで裁判中の下級裁判所の裁判長に「遠隔指揮」をしていたことがわかった。それらは、下級裁判所の裁判長のパソコンに裁判中に写真にあるようにメッセージで送られてきていた。
「弁護士の発言を中断させろ」「話し合う必要はない」「もっと自信をもて」等々であった。
「遠隔指揮」
今月11日、青海省にある「青海天峻県法院(裁判所)」は「騒乱挑発罪」の疑いがある案件を再審していた。
なお、「騒乱挑発罪(尋釁滋事罪)」とは、中国で幅広く摘発に使われる罪名で、当局がポケットに物を入れるように気軽に人を罪に問えるという意味で、「ポケット罪」との呼び名がついた。
裁判中、裁判長は何度も弁護士の発言を中断させ、突然「休廷」宣言をした。
休廷時間中、裁判長らが離れた法廷内で、うっかり審判席に置いてあったパソコンの画面を弁護士が見てしまったのである。
そこにはSNSウィーチャット(微信)のグループチャットのチャット履歴が映し出されており、「弁護士の発言を中断させろ」「話し合う必要はない」「もっと自信をもて」といった指示が上級裁判所の所長らから現在進行中の裁判の裁判長に下されていたのだ。
弁護士らは「彼ら(裁判官ら)の行動は、我が国の裁判の二審終審制度を公然と破壊するものであり、瀆職罪(とくしょくざい)に当たる」と告発し、警察にも通報したという。
中国では、「二審終審制度」を採用している。二審を終えた判決は終審判決として確定されることになるため、 確定された判決を不服としても上告の道はないのだ。
この件がSNSで拡散されると、「上級裁判所と下級裁判所が結託していたら、上訴に何の意味があるというのか」といった怒りと嘆きが広がった。
中国で行われている法輪功学習者への迫害情報などを伝える「明慧ネット」によると、中国共産党は法律の名のもとで法輪功学習者を迫害しており、「上訴しても無駄」である。
山東省青島市李滄区の裁判官・王強はかつて、「法輪功学習者を何年投獄するかは、青島市中級法院(上級裁判所)が決めたことだ。自分には裁量権はない、司法審判など形式的なものでしかない」と公然と発言したことがあるという。
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