強制的にとられた臓器かも…チェコ保健省副大臣「中国渡航移植に警告発している」

2024/05/03
更新: 2024/05/03

4月23日、チェコ下院議会で法輪功迫害に関する公聴会が開かれた。プラツニク保健副外相は「法輪功学習者に対する臓器収奪は我が国だけでなく、世界中の議会で非難されている。到底容認できない行為だ」と強く述べた。

一部の欧州諸国では違法な臓器移植渡航、特に中国などで行われる移植を阻止するための厳しい法律を採択している。イスラエルでは2008年に臓器移植法が施行され、人間の臓器売買を事実上禁止した。スペインやベルギーなどの欧州諸国も同様の措置を採っており、チェコ政府もこれに倣う可能性がある。

プラツニク副大臣は公聴会の後、「保健省は中国への移植ツーリズムに警告を発している」と述べ、「健康上のリスクに加えて、囚人から強制的に摘出された臓器を移植される可能性がある。我が国では(違法な)移植は厳しく監視されている」とエポックタイムズに語った。

プラツニク保健副大臣は、中国への移植ツーリズムには警告を発していると述べた(Epoch Times)

法輪功学習者、チェコ下院で証言

父親は臓器を奪われ殺されるかもしれないーー。中国で収監されている両親の釈放を求め、4月23日、丁楽斌(レビン・ディン)氏がチェコ下院公聴会で証言に立った。

丁氏の父親は昨年5月、山東省日照市で家業のため茶畑にいたところ令状なく拘束された。市では同じ時期に70人余りの法輪功学習者が不当に逮捕された。

ドイツ在住の丁氏は証言のためにチェコに渡ったが、法輪功迫害停止を訴える自身の活動を、中国共産党は様々な形で妨害してきたと述べた。

昨年6月26日、ブリュッセルで中国の強制臓器摘出に関する平和的抗議活動を行った際に、親中派の活動家らが妨害。同年8月、ドイツの中国共産党の大使館に抗議の手紙を投函しようとした際にも、大使館スタッフがこれを妨げようとしたという。

今年1月、欧州議会では法輪功迫害と臓器狩りを非難する決議が可決した。しかし、この決議を妨害する目的で、中国共産党情報当局に情報を流していたスパイの存在がドイツ紙「シュピーゲル」の報道で明らかになった。スパイは今年4月に逮捕された。

米国では、臓器移植ツーリズムを制限する法律を制定した州が3つある。直近ではアイダホ州が4月10日、臓器収奪禁止法に知事が署名した。米下院も昨年、この医療犯罪に関与した者に制裁を科す決議を可決している。

日本では「人権外交を超党派で考える議員連盟」や、「中国による人権侵害を究明し行動する議員連盟」が近年、成立しており、それぞれ所属する議員は臓器狩り問題について言及している。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。