米税関・国境警備局(CBP)が3月29日までに、カリフォルニア州の軍事基地に忍び込み、退去命令を無視した中国人男性を逮捕していたことが明らかになった。男を不法入国者と確認しており、国境警備隊が捜査を行っている。
CBPのエルセントロ地区長官グレゴリー・ボビーノ氏によれば、男は海兵隊基地に無許可で侵入し、退去命令に応じなかった。同氏はXで「対象者は不法入国者であることを確認した」とし、現在、基地に入った目的などの調査を進めていると述べた。
エポックタイムズは米海兵隊に事件の詳細を求めたが、本記事掲載までに返答は得られなかった。
一方、エポックタイムズがCBP筋から得た情報によると、この男はカリフォルニア州トゥエンティナイン・パームスにある海兵隊航空地上戦闘センターに侵入しようとしていたという。この施設は米国海兵隊最大の基地として知られている。
近年、観光客を装うなどして中国人が米国内の軍事基地や機密施設に接近するケースが増えている。
2020年には、フロリダ州の米海軍基地に不法侵入し、基地を違法に撮影したとして中国人2人が逮捕された。「ウォール・ストリート・ジャーナル」によれば、同様のケースがこの数年で100回以上起きており、米当局はスパイ活動の可能性もあると懸念を強めている。
徴兵適齢の中国人男性が急増
未曾有の不法移民危機に直面する米国では、南西部のメキシコ国境を不法に越境する徴兵適齢の中国人男性の数が異例の増加を見せている。
CBPのデータによると、2023年2月から、全国の国境警備隊が遭遇する中国人の独身成人の数が増え始め、今年2月にはその数が、昨年の2倍以上となる5455人に上った。
米国務省は中国を「特に懸念される国」に指定しており、連邦捜査局(FBI)は中国共産党の経済スパイと防諜活動はアメリカの経済安全保障にとって「重大な脅威」だとしている。
一部の専門家は、国外へ逃げ出す中国人が急増している理由として、厳しい行動制限を伴う中国の「ゼロコロナ」政策や経済悪化といった不安定な社会情勢が背景にあるとしている。
その一方で、急増する徴兵適齢の中国人男性の不法入国は、中国共産党が工作員を密入国させる機会になっていると指摘する専門家もいる。
中国問題専門家のゴードン・チャン氏はエポックタイムズの寄稿文で「中には破壊行為をしにきているものもいる。一部の(不法)移民はほぼ間違いなく中国(共産党)軍のメンバーであることは間違いない」と述べた。
国境警備隊の組合長であるブランドン・ジャッド氏も、米テレビ番組のインタビューで「悪く言えば、彼らは中国(共産党)政府の一員として米国に浸透するためにここにいるのだ」と危機感を示した。
米国国境警備隊は2月、昨年10月から2月末の間にサンディエゴ地区で拘束された中国人の数が昨年の5倍以上となる2万人を超えたと明らかにした。
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