米ユタ州のスペンサー・コックス知事は14日、中国共産党(中共)による強制的な臓器摘出「臓器狩り」に対処する法案に署名した。同法は成立し、5月1日に施行される。米国で法的手段を用いて臓器狩りを阻止する2番目の州となった。
同法は中国共産党の臓器狩りに州民が加担することを阻止するため、中国で行われた臓器移植手術について、保険会社が手術や移植後の治療費を支払うことを禁じる。法案は今月初旬、上下両院で全会一致で可決していた。
共和党のキャンディス・ピエルッチ議員は法案を提出した際「中国(共産党)政権の犯罪に加担することは、断じて許されない。ユタ州は財政面でこの蛮行に対抗する」と強調していた。
中国での臓器移植の待機時間は最短4時間、平均2週間とドナー制度が整う米国に比べてはるかに早い。こうした待機時間を理由に海外から多くの移植希望者が中国に渡っているが、人権弁護士デービット・マタス氏らが発表した調査報告書によると、臓器の供給源は投獄されている中国伝統気功の法輪功学習者やウイグル人だ。
2019年に英国で開かれた独立法廷「中国民衆法廷」も、中国では長年にわたり移植手術を目的とした「強制的な臓器摘出が相当な規模で行われている」との結論を下した。
テキサス州でも昨年、中国共産党の臓器狩りに対処する法案が成立し、法的手段を用いて臓器狩りを阻止する米国初の州となった。アリゾナ州やアイダホ州、ミズーリ州でも同様の法案が提出され、「臓器狩り」を阻止する動きが州レベルで広がっている。
ジェノサイド
米ハーバード大学では7日、「臓器狩り:人類への脅威」と題したシンポジウムが開かれ、各国が取るべき対策について、医学の専門家や法律家が意見交換を行なった。
シンポジウムに参加したマタス氏は、臓器狩りという人道に対する犯罪行為について「認識を高め、抗議を増やし、法整備を推し進めることが重要だ」と強調した。
マサチューセッツ工科大学ホワイトヘッド生物医学研究所のヒト幹細胞研究室のマヤ・ミタリポワ所長も「世界中のどこにおいても、このようなことは許されない。これは中国人に対するジェノサイドだ」と大紀元の姉妹メディア「新唐人」の取材に答えた。
20日には、中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会(CECC)が中国共産党による臓器狩りに関する公聴会を開催する予定だ。
CECCは声明で、公聴会では「拘留されていたウイグル人、法輪功学習者、政治犯からの臓器摘出の証拠を評価し、科学的および医学的研究コミュニティがこの問題について、どのように対処しているかをより広く調査する」としている。
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