4年ぶりに開放 ロシアの旅行ブロガーが語った衝撃の北朝鮮旅行

2024/02/25
更新: 2024/02/25

今月、ロシアの旅行ブロガーが、4年ぶりに外国人向けに開放された北朝鮮の旅行団に参加し、北朝鮮を訪れた。彼は、この旅行が自分にとって衝撃的な体験であったと語っている。

ラジオ・フリー・アジアの報道によると、ロシアのサンクトペテルブルク出身の旅行ブロガー、イリヤ・ヴォスクレセンスキー氏は、97人のロシア人が参加した団体旅行に参加し、2月9日に4日間の北朝鮮旅行に出発した。ツアーでは、首都の平壌や江原道にある馬息嶺スキーリゾートに立ち寄ることになっていた。

このロシア人団体旅行客たちは北朝鮮が2020年1月に新型コロナウイルスの流行を理由に中国との国境を閉鎖し、外国人旅行団の受け入れを一時停止して以来、4年ぶりに開放された外国人旅行団だった。

ヴォスクレセンスキー氏は、北朝鮮がロシアの旅行団に開放されたと聞き、自分のYouTube旅行チャンネル用の動画を撮影しようと、すぐに参加を決めた。

彼は、面白く、ユニークで、いままで見たことのないものを撮影する絶好の機会だと考え、閉鎖され世界から孤立した北朝鮮の保守的な文化が観光にどのような影響を与えるのか、そして現地の風習や文化を見てみたいと思っていた。

2024年2月9日、ロシアの旅行団が北朝鮮の平壌に到着した。写真は、その団体が平壌国際空港のターミナルビルを出る様子(KIM WON JIN/AFP via Getty Images)

ラジオ・フリー・アジアの記者は取材でヴォスクレセンスキー氏にこの北朝鮮旅行で特別な体験や文化的な衝突に遭遇したかと尋ねた。すると彼はこの旅行全体が非常に衝撃的で意外なものであったともらした。

彼は平壌には300万人が住んでいるにもかかわらず、街にはほとんど人がおらず、朝7時30分や夕方5時30分のラッシュアワーでも、車の通行はほとんどなく、街が空っぽであることに衝撃を受けた。

また、北朝鮮における金正恩崇拝にも衝撃を受けた。例えば、飛行機の中で航空雑誌を開くと、最初の13ページには金正恩の顔ばかりだった。

その後、ヴォスクレセンスキー氏は北朝鮮での自由が制限されたかどうかについて記者から尋ねられ、北朝鮮の航空会社の飛行機に乗った瞬間から自由が制限されたと答えた。

また飛行機の客室では以下のような仕打ちを受けたという。

彼がカメラを取り出して飛行機に乗る様子を撮影しようとしたところ、撮影は禁止されていると言われた。

まだ飛行機がロシアを離れていなかった時、彼の隣にいた男性が携帯電話で写真を撮っていたところ、客室乗務員が来てその携帯電話をチェックし、気に入らない写真を削除した。

また、北朝鮮に到着した時、彼らは建設現場や見苦しい建物、もちろん軍事施設の撮影も禁止された。唯一撮影できるのは美しい景色だけで、例えば馬息嶺スキーリゾートなら自由に撮影できた。

北朝鮮は、自国を美しい場所として外に見せたいと望んでいるようだ。

2019年2月5日、北朝鮮の馬息嶺スキーリゾートの風景(Carl Court/Getty Images)

さらにホテルに帰ってからも、部屋を離れて街を自由に歩くことも禁止された。

理由を尋ねてみると「あなたは北朝鮮語が分からない。問題になる」と言われたという。

ヴォスクレセンスキー氏はガイドやホテルのスタッフ以外の一般の北朝鮮の人々と話す機会はなく、時々街で北朝鮮の人々を見かけても、彼らは暗い色の服を着て、歩いているか、自転車に乗っているか、中国製の電動スクーターに乗っていたと語った。

ある朝、7時にバスに乗って空港に向かったとき、道には車もほとんどおらず、歩行者も少なかった。ヴォスクレセンスキー氏にとって霧がかかった灰色の朝で、まるで映画の中にいるような感じがしたのが、最も印象に残ったという。

陳俊村