「鎖の女性事件」2周年に際して(2) 中国における「命の重み」

2024/02/01
更新: 2024/02/01

首に鉄の鎖が巻かれ、自由を奪われ続けた「鎖の女性」が中国で発見されてから2年が経つ。いまやこの女性は「中国の女性の苦難」を象徴するシンボルとなった。

「鎖の女性事件」2周年に際して、世界各地で彼女への連帯が広がり、声援の声が再び上がっている。

「鎖の女性」に関する調査をしたことで中共当局に追われ、米国へ亡命した調査ジャーナリストの趙蘭健氏は1月29日、事件2周年に際して「(中国では)人命の重さは猫より軽い」と題する文章を自身のSNSに公開した。

「命の重さは、猫よりも軽い」

以下は、趙氏の文章の邦訳となる。

「変態的な中国社会では、鎖の女性は猫よりも軽視されている。サルにレイプされた猫は官製のペット協会によって救出されたばかりか、北京に送られ、北京の戸籍を与えられた。(その猫は)猫のなかでも地位が高い」

「いっぽう、犯罪者たちによって人身売買され、20年以上にわたってレイプされ続け、8人の子供を産まされた『鎖の女性』の場合、10数億人が彼女の救出を訴えるも、彼女は今なお、強姦魔の檻の中に閉じ込められている」

「『中国では、人命の重さは猫より軽い』と多くのネットユーザーはいう。これは、鎖の女性事件2周年に際しての、最も血なまぐさい、無力な叫びである」

「中国政府も、動物園も、恐るべき罪悪の加害者だ。中国政府は『鎖の女性』が20年の間に多くの男にレイプされ、虐待されてきた真相を隠蔽した。そして、動物園はわざと猫をサル園に放して、サルにレイプさせた。中国の権力者たちは、この悪の中国社会を支配している」

「中共当局は、サルに犯された猫を救出したが、人に犯される『鎖の女性』を助けなかった。これは、中国という反人間社会の赤裸々な根源である。2匹の猫たちは北京へ救出されたが、鎖の女性は依然として(強姦魔の夫)董志民の家、あるいは精神病院に監禁されたまま、さらなる残酷な残りの人生を過ごさなければならないのだ」

「『鎖の女性事件』2周年に際して、私たちは忘れてはならない。中国の変態的な社会のなかで、人命の重さは猫より下だ。サルに犯された猫は助けられても、何億もの人々が声援をしている鎖の女性は助けられない」(邦訳、以上)

(【閲覧注意】動物園のサルが、猫をレイプする場面あり)

「助けないで。私の命は価値がないから!」

このほど、杭州で撮影された、あるデリバリー配達員の若者の動画が華人圏で拡散されて物議を醸している。

動画は「貧乏人の命はどれほど価値がないのか」を問う内容となっている。

配達の途中で交通事故に遭い、重傷を負った若いデリバリー配達員がいた。通行人の通報で医師が駆けつけ、緊急の救命措置を施したが、この若者(28歳)は力を振り絞ってこう伝えたという。「助けないでください。私の命は価値がありません!」。

中国の医療には、非常に高額な実費がかかる。重傷を負ったこの若者は、その費用負担を親や家族にかけることを恐れて「助けないでください」と言ったのだろうか。

「ベトナムやタイなどの貧しい国々ですら医療保障があるというのに、中国ではそれがない。ああ、なんと邪悪な中国共産党!」と動画投稿者は嘆いた。

(配達の途中で交通事故に遭い、重傷を負った若いデリバリー配達員。救命措置をする医師に「助けないでください。私の命は価値がありません!」と言った)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。