日本政府は賃上げに取り組む企業・個人事業主を応援するため、賃上げ促進税制を強化している。
2023年12月に「令和6年度税制改正の大綱」が閣議決定され、その中で「賃上げ促進税制」の改正を明記した。
賃上げ促進税制とは、企業が賃上げを実施した場合に、賃上げ額の一部を法人税などから税額控除できる制度だ。
経済産業省によると、今回改正された税制は、2024年4月1日~2027年3月31日までの間に開始する各事業年度が適用対象となる。
改正前は大企業・中堅企業は30%、中小企業は40%だった最大税額控除率は、今回の改正により、大企業・中堅企業は35%、中小企業は45%にアップしている。
主な改正点は、以下の5つとなっている。
① 大企業向けは、より高い賃上げへのインセンティブ強化に向け、更に高い賃上げ率の要件(5%、7%)を創設。
② 中小企業向けは、赤字企業などの賃上げ後押しに向け、前例のない長期となる5年間の繰越控除措置を創設。
③ 地域において賃上げと経済の好循環の担い手として期待される中堅企業向けの新たな枠を創設。
④ 雇用の「質」も上げる形での賃上げの促進に向け、
・教育訓練費を増やす企業への上乗せ措置の要件を緩和。
・子育てとの両立支援、女性活躍支援に積極的な企業への上乗せ措置を創設。
⑤ 現行の賃上げ促進税制よりも長い3年間の措置期間とする。
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