パトカーに「密かにGPS装置をつける」 罰金回避を狙った、運送会社の社長=中国 湖北

2024/01/25
更新: 2024/01/25

近年、中国のどこの地方政府も財政難にあえぐなか、交通違反の「罰金稼ぎ」で収入を得ようと躍起になっている交通管制当局は、とくに民衆から批判されている。

交通警察や関係する当局は、罰金収入を上げるために、それこそ血眼になって車両の「あら探し」を行っている。

彼らは非常に恣意的に「交通違反」を乱発し、とにかく数多く罰金を科すのだ。そんな当局を、民衆は「制服を着た強盗」などと皮肉っている。

そのようななか、ある運送会社の社長が、自社の車両に科せられる罰金を回避するために、地元で交通取り締まりにあたる警察車両に、ひそかに位置特定装置「GPS」を取り付けることを思いついた。

現地メディアによると、湖北省襄陽市の交通管制当局の車両がメンテナンスを行った際に、車体の下から黒色の小箱が出てきたという。検査の結果、この小さな箱はなんと小型のGPS発信機だった。

公安の調査によると、同隊の警察車両11台のうち6台に、このようなGPS装置が取り付けられていたという。これらの装置から警察は、地元で運送会社を経営する朱氏(女性)を突き止めた。

2023年6月、朱氏は自分の経営する運送会社の車両に罰金が科されないよう、携帯電話のGPSアプリを使って、警察車両の位置を把握できるようにしていたのだ。

そうすることで、取り締まりの警察車両が今どこにいるかを把握し、これを回避するよう自社のドライバーに知らせていたという。警察車両にGPS装置を取り付けたのは、夜間の駐車時だったという。

この女性社長は最終的に行政拘留され、罰金を科された。

現地政府は財政難を補填するために、特にトラックなどの貨物車に対して、各種の理由をつけては、法外な罰金を科してきた。

一部の検問所では、あらかじめ重量計に細工をしておき、貨物車を意図的に「重量オーバー」にさせるなどの詐欺行為もしている。それによって、荷物を全く積んでいないトラックが、なぜか「重量オーバー」したとして罰金を科せられたケースもある。

このような当局による不当な罰金稼ぎに対し、多くの貨物車ドライバーは我慢の限界に達している。

ネット上では、貨物車が検問から逃げるために、数台のトラックがチームを組み、先頭車が障害物を跳ね飛ばしながら検問所を強行突破し、その後に複数台の車列が続くという、まるで映画ような動画がしばしば流出している。

ただし、なかには交通検問の人員を轢いてまで強行突破するケースもある。

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李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。