中共特権階級「紅二代」が反党主席の動き、中共軍は面従腹背 「2024年にクーデターも」=専門家

2024/01/07
更新: 2024/01/07

海外に亡命している元北京大学の法学者・袁紅氷教授は、つい先日、台湾メディアに、中国共産党(中共)の特権階級「紅二代」が集まり、現在の最高指導部に対する反対意見を共有していると暴露した。

「紅二代」とは1949年に中国共産党が政権を樹立する前の共産革命に参加し、日中戦争や中国国民党との内戦で貢献した幹部たちの子女のことで、中共内では特別高い地位を有している。

彼らは、習近平の推進している、文化大革命への回帰政策に反対し民主化に向けた政治改革を求める、この動きは大きな波紋を呼んでいる。

 習近平に反対が最大のコンセンサス

新唐人テレビの番組『菁英論壇』で、袁紅氷氏は「11月末に、紅二代の一部が習近平の個人独裁に反対する共通認識を形成していることはほぼ確実だ」と見解を述べた。この一部の中には元中共国家主席の劉少奇の息子、劉源も名を連ねている。

特権階級の紅二代の中でも、これらのグループは、親世代が文化大革命で毛沢東による厳しい迫害を受けた。例えば劉少奇などは、国家主席でありながら迫害により命を落とした。

そのため彼らは、習近平が政治的迫害を敢行すれば、党内での習近平に対する怒りが高まり、習近平自身が危険な状況に陥る可能性があると考えている。

紅二代は国際社会に向けて、習近平の個人独裁に対する反対の共通認識を形成し、行動に移す準備ができていると表明している。

習近平政権下の中国は、21世紀の情報時代にもかかわらず、前例のない厳格なハイテクスパイによる支配を実施している。

習近平は中国国民に対して全面的な情報封鎖を敷いているが、その集権的独裁は世界全体には拡大していない。多くの中国人が商売や留学、観光の目的で国外に出ているため、共産党内の良心的な人々がこれを機に情報を伝える活動を行っている。

中には、習近平に対する反対の共通認識に達した紅二代も含まれており、これには大きなリスクが伴う。袁紅氷氏は、これら紅二代の具体的な分析の必要性を指摘した。

毛沢東の死後、共産党内では毛沢東を否定する思潮が生まれ、民主社会主義の道を模索する動きが見られた。この動きの指導的な人物の一人が胡耀邦であり、胡のような比較的に開明的な考えを持つ者も党内に存在することが示されている。

現在、習近平の独裁に対する反対勢力は3つのグループに分かれている。第1のグループは、習近平の独裁に真剣に反対し、中国の民主化を望む人々で、胡耀邦の息子である胡徳平などが該当する。

第2のグループは、機会主義的な傾向を持つ人々で、劉少奇の息子である劉源が代表的な例である。

第3のグループは、個人的または家族的な利益が侵害される事を嫌い習近平の独裁に反対する人々で、鄧小平の息子鄧樸方や陳雲の息子である陳元が含まれる。彼らの目的は、共産党の「集団指導」を復活させ、最高権力を共産党エリート家族が共有する体制に戻すことだ。

したがって、これらの紅二代は民主社会主義の旗印を利用して民心を得ようとしており、これは彼らにとっては戦略的な手段に過ぎない。今回の反習共通認識の形成は、主にこれら3つのタイプの人々によってなされている。

私たちにとって重要なのは、この度の「紅二代」が形成した習近平の個人独裁に反対する共通の認識は、習近平にとって大きな政治的困難と危機を引き起こすものであるということだ。

しかし、中国の民主化を実現するためには、中国国民全体の覚醒、抵抗、そして人民の蜂起が必要である。これは、かつてのソビエト連邦の人々が全民の反抗を通じて民主化の転換を達成したことに倣うものだ。

軍人の不服従が最大の政治危機

中文大紀元時報の総編集長、郭君氏は、紅二代が集団で習、さらには共産党に反対している様々な兆候があると述べた。最近半年間に、紅二代やその子女にあたる紅三代と自称する人々が頻繁に接触してきており、彼らは習近平と決別する決心を話している。

また、これは一つの情報源だけでなく、複数の異なる情報源からの複数の手がかりがあり、同じ意味を示している。

さらに彼らは、ここ数年にわたり起こったいくつかの出来事の多くは紅二代、紅三代が後ろで役割を果たしているものだと言っている。もちろん、彼らは非常に秘密主義で、自分たちの名前やどの紅二代を代表しているかを明かすことはできない。

メディアとしては、このようなニュースを報じることはできないが 、この状況全体を見ると、一定の信憑性があり、現実の社会的背景も存在する。

2012年以降の数年間、北京には「延河子女」と呼ばれる紅二代クラブがあり、彼らは毎年集まって習近平を支持し、声援を送っていた。しかし、ここ5年間はそうした動きがなく、彼らも表舞台には現れていない。

しかし昨年末、劉少奇の誕生記念日に、このグループの人々が劉源のところに集まった。その際に劉源は集団指導、民主集中制、改革開放を支持する声明を発表したという。

これは明確なメッセージだ。そして劉少奇の記念行事に参加したこのグループは、劉源への間接的な支持の証であり、一種の立場表明をしたとも言える。 

袁紅氷氏は紅二代は中共の軍隊内で大きな力を持っていると述べている。習近平が進行中のロケット軍をはじめとする軍隊の粛清から、軍の指導者たちの基本的な心理が見えてきた。この大規模な粛清はロケット軍から始まり、軍産体系、総装備部、空軍、さらには戦略支援部隊にまで拡大した。

習近平による軍事工業に対するこの大規模な粛清は、彼の治世で前例のないものだ。より重要なのは、彼が粛清した対象が権力闘争の敵ではなく、自身の軍隊、特に中共二十回党大会の後に試練を経た自分の軍隊であることだ。

彼はなぜ自らの肉を切り、自壊するのだろうか? 軍事機密や国家機密の漏洩などという噂はあるが、それは全く根拠のない話だ。軍の粛清は汚職によるものだという見方もあるが、中共の官僚は誰もが汚職しているのはよく知られたことだ。

実際、習近平が軍隊を粛清せざるを得なくなったのは、彼が軍部の秘密に気づいたからだ。

習の情報機関が彼に提出した秘密報告書は、軍が彼に対して絶対的な忠誠を示していないどころか、絶対的な不忠誠を示していることを明らかにした。

今回の粛清の対象となった秦剛や李尚福、ロケット軍の上層部は、台湾攻撃を含む習近平の基本的な国策や、彼の執政に対して、裏では冷笑したり、厳しい批判の態度を取っていた。彼らは経済や外交において、鄧小平時代を懐かしんでいるという。

袁紅氷氏は「習近平がどれだけもがこうとも、共産党全体の絶滅への傾向を変えることはできないだろう。具体的には、2024年には共産党体制内で大きな政治危機が発生し、宮廷クーデターのような政治危機が引き起こされる可能性がある」と述べている。

(続く)