薬酒に漬けた「タツノオトシゴ」 まさかのプラスチック製だった=中国 広東

2023/12/13
更新: 2023/12/13

なにしろ「偽造大国」「違法コピー商品(海賊版)の生産地」「不良品の製造元」として、世界にその名(悪名?)を馳せた中国である。

目盛りがデタラメの中国製巻き尺から、水がでないニセ消火栓など、もはや多少のことは驚かないつもりだが、今回の「偽造品」には思わず笑ってしまった。

このほど、広東省肇慶市のある男性が2年間飲み続けた「タツノオトシゴ漬け薬酒」に入れられたタツノオトシゴが、まさかの「プラスチック製」だったことが判明した。

問題のタツノオトシゴは男性が友人に頼んで2年前に他省から買ってきたもので、値段は2つで30元余り(約600円)だったという。

「これを他の漢方薬とともに酒に漬けると、健康によい薬酒になる」。そういう触れ込みで売られていたこともあり、男性は自分で大瓶を用意して「薬酒」を仕込んだ。

2年かけてようやく飲み終えた。健康効果があったどうかは、定かではない。

ともかく、酒瓶のなかの漢方薬材やタツノオトシゴの「遺体」を片付けていたら、おかしなことに気づいた。タツノオトシゴが、どうちぎっても切れないほど「頑丈」だったのだ。

不審に思った男性は、その尾にライターで火をつけてみた。すると、尾は縮み、プラスチック製品を燃やしたような、特有の臭いがしたという。

これでようやく「プラスチック製」であることが判明。この驚愕の事実を知ることになった男性は、怒りもさることながら、笑ってしまうような可笑しさすら感じたという。

「幸いにも、健康に深刻な影響はなかったよ」という男性は、この珍体験をSNSに投稿することにした。「皆さんも、薬材を買うときは気をつけるように」と呼び掛けたのだ。

この男性の投稿をめぐっては、「倫理観が欠如した偽造大国だ。何が起きても驚かない」「露店で売られている薬酒漬けの生物も、多くがプラスチック製だよ」といったコメントが寄せられた。

しかし、なかには「健康に深刻な影響はなかった」というこの前向き思考の男性に、冷や水をかけるコメントもある。「2年間もプラスチック漬けの薬酒を飲んだんだ。目に見えないだけで、健康に影響がないわけはないだろう」。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。