中国共産党統治下の中国では、官・民間の対立はかつてないほどまでに激化している。とりわけ、民間人がついに怒りを爆発させ、警察や公安関係者に刃物などを手にして反撃するケースが後を絶たない。
今月28日夜、広西省玉林市の街中で、手にナイフを持った男が複数の公安と対峙し、公安関係者1人を切りつけて負傷させる事件が発生した。
「手に花束」の犯人が、公安を切りつけた
ネットに流出した動画によると事件発生時、マスクをつけ、黒いズボンに灰色の上着を身に着けた男が手にナイフを持ち、パトカーへ向かって突進。車から降りた複数の公安を追いかけ回すシーンがあった。
先に車を降りた公安2人は慌てて逃げたが、車のドア近くにいて逃げ遅れた公安のほうは、男によって立て続けに数回切りつけられたようだ。その後、犯人の男と公安は対峙を続けた模様。
後続の動画のなかには、暴動鎮圧用の「武器」で武装した多数の公安が、男を取り囲んで制圧した様子が映されていた。
男が犯行に及ぶ前の映像もネットに流れているが、その際、男はナイフではなく、白い花束を抱えていた。その花束が何を意味するのかは、分からない。
その後、男は公安と対峙を始めたが、その間に、手に握られたものは花束からナイフに変わっていた。
現地の容県公安局は翌日「ある男が騒ぎを起こしたため、当直の公安が男を取り押さえて調査のために署へ連行した」と簡潔に公表した。補助警察官1人が負傷し、現在治療中だという。
現地公安から発表された内容は非常に曖昧で、犯行の動機など事件の根幹となる部分については言及されなかった。
(2023年11月28日夜、中国広西省玉林市の街中で発生した市民による公安襲撃事件)
同様の事件は、ほかでも頻発
9月23日、山西省太原市の路上でも同様の事件が起きていた。黒服の男が「鋭利なもの」をもってパトカーを襲い、窓の外から車内の運転席にいた公安を何度も刺した。この様子を見た他の公安は、慌ててその場を逃走している。
動画につけられたナレーションには「あれは誰の部下だ。これほど、たくましいとは」というドラマ・三国志の曹操が、劉備の部下である「趙雲」を見て発した名ゼリフがつけられていた。つまり、「あの男は、趙雲子龍のような一騎当千の英雄だ」という大賛辞なのだ。
刃物で人を刺す犯行を肯定することはできない。ただし、そのようなナレーションを付けた動画編集者の心中には、公安に襲いかかる市民を英雄視する気持ちがあることが伺える。
だが、それも無理はない。現在、中国における警察や公安は、もはや正義の味方とは程遠く、専制政権下で人民を弾圧する手先に成り下がっており、民間から最も恨まれる対象になっているからだ。
もちろん、なかには善良な公安も一部にいるであろうが、全体としては、中国の警察や公安は「制服を着た暴力団」にも等しい、悪の集団になっているのだ。
下に載せた動画のなかに、幼児を抱いた女性を投げ倒す「公安」が映っている。幼児は投げ出され、コンクリート地面に頭を打ち付けている。公安による、とんでもない犯罪行為である。
(2023年9月23日、山西省太原市の路上で起きた市民による公安襲撃事件。)
(幼児を抱いた女性を、路上に倒す中国の公安。幼児は投げ出され、コンクリート地面に頭を打ち付けている。公安による、とんでもない犯罪行為である)
(ついに横暴な公安に耐えかねたのか、一人の男性が大きなレンガを投げつけた。庶民の反撃に、周囲の市民が「やった!」と喝采を上げている)
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