通行人を襲う「通り魔事件」発生 当局はネット情報を消して隠蔽=中国 深セン

2023/11/11
更新: 2023/11/11

【閲覧注意】本記事には、被害者の流血の写真が添付されています。ご注意ください。

今月9日夕方6時ごろ、広東省深セン市龍華区の路上で、刃物をもった男が通行人を無差別に襲う「通り魔事件」が発生した。現地当局の発表では1人が死亡し、3人が負傷した。

容疑者の唐という男(37歲)は、すでに逮捕された。いっぽう、この悲惨な事件を隠蔽したい当局は、ネット上の関連する話題について「検閲」に乗り出している模様だ。

ネット上に流出した大量の事件当時の映像や写真のなかには、救援を待つ血だらけの市民たちの姿があった。

なかには、子供を抱いて地べたに座りこむ女性の姿もある。その周囲の地面は、血が一面に広がっていた。未確認であるが「子供の喉が切り裂かれた」とも言われている。

 

11月9日夕方6時ごろ、広東省深セン市龍華区の路上で起きた「通り魔事件」。子供を抱いて座り込む女性の姿もある。(SNSより)

 

地元住民によると「犯行があった場所は、人口密度が高い密集地だ。近くには交差点もあったため、人々は逃げようにも逃げられなかった」という。また、事件の後「安定維持を第一に考える」当局は迅速に現場を封鎖し、地面の血痕を消した。

「また社会報復か」と見られる今回の事件は、その日のうちに中国SNSウェイボー(微博)のホットリサーチ入りした。しかし、数時間後には当局によって削除され、ネットに流れていた事件関係の画像や映像もすべて消された。

この犯人にどのような背景があるか、その動機もふくめて、現時点では不明である。

ただ、昨今の中国で、無差別殺人に代表される「社会報復事件」が頻発していることは確かだ。しかも、その頻度は高くなっているといってよい。

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。