今月25日、広東省の学校で「700人近い学生が一斉退学」というトピックが中国の大手検索サイト百度(バイドゥ) のホットリサーチ入りした。理由は「教える教師がいないから」という。
中国メディア「広州日報」によると、このごろ広東省清遠市にある専門学校「清遠德聖健康職業技術学校」に通う学生の保護者たちは、学校に「教える教師がおらず」全く授業が行われていないため、相次いで納付した学費の返金と学生の退学を求めている。今月21日時点では、700人近い学生が自主退学を選択したという。
同校では、新学期(9月から)開始から1カ月以上過ぎたというのに、学生たちは教師の授業を受けるのではなく、教室で自習するか、教室(のスクリーン)でオンライン授業を受けさせられているのだという。
「毎日学校へ通っても教師がいない。いつも自習だ。この学校は金儲けだけなのか、と疑わざるを得ない」と怒る保護者も。この保護者によると「この学校は、1つの学年に7つのクラスがある。その7クラスを、教師1人で受け持っている」という。
また、一部の学生によると「教師のレベルが低く、まるで経験がないようだ」という。
教師のレベルが低いとは「授業の進みが遅い。その上、一部の教師は簡単な漢字すら読めない」ことを指す。また、この学校では、学生に対して「軍隊式の管理」を行っていると、ある学生が明かしている。
このような状況について、学校側は「これはデジタル化の教育方針に対応したものであり、教師が不足しているのではない」と釈明。これに関連するニュースをめぐり、ネット上では物議を醸している。
「デジタル化の教育方針に対応するため? 全く呆れた言い訳だ」「こんな学校、何の意味もない。行かなくていい」といった批判コメントが相次いで寄せられている。
一部の保護者は「退学を申し出たら、学校側は学費の全額返還を拒否した」と明かしている。
この件をめぐり、現地の教育当局は25日「学費返金などの処理を行うチームを立ち上げた」と回答。また教育当局によると、この学校では今年(9月入学)の予定入学者数は900人であったが、実際には「2,542人を入学させている」という。
つまり、教育当局の指摘の通りであるとすれば、予定数の3倍ちかくを入学させた結果「1,642人も定員オーバーした」ことになる。学校として、常識的にはありえないことだ。
授業がおろそかになるほどの教師不足は、それが根本的原因ではないかと誰もが想像する。保護者の指摘の通り「金儲けだけの学校」と見られても無理はない。
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