「紅二代」中共の第二世代が資産を海外へ移転

2023/10/27
更新: 2023/10/27

習近平氏が権力を握ると、中国共産党(中共)の第二世代、紅二代の政治的影響力は次第に失われ、経済的利益も脅かされ始めた。海外に住むある紅二代からの情報によると、習近平氏の政策による資産の「収奪」を恐れ、多くの紅二代が資金を海外に移転させる方法を探している。 

「紅二代」とは、中共の建国(1949年)に大きな功績があった第一世代の子女のことである。 

ニューヨーク在住の方明(仮名)さんという紅二代は、現在、紅二代たちの間で中共への信頼が失われつつあると語り、中共の国際的な行動(ロシアのウクライナ侵攻やハマスのイスラエル攻撃を支持するなど)についても批判している。彼は、中共内部が混乱しており、多くの人々が利益を追求していると述べ、海外に資金を移転させる動きが増加、加速していると語った。

紅二代による海外への資金移転方法

現在、中共の有力者たちが海外に資金を移転することで、地下金融が活発化している。正式なルートでの海外への送金は、一人当たり年間5万ドル(約750万円)に制限されているため、多くは非公式の地下ルートを利用している。 

趙威(仮名)さんという紅二代は、海外への資金移転が2018~20年にかけてピークを迎えたと明かした。資金移転の方法は金額によって異なる。小額の場合は指定された国内の銀行口座に入金し、国外で即座に相当額の外貨が支払われる方法、中額の場合は匿名の企業口座を使用する方法、大額の場合は特定の銀行の電信送金システムを使用する方法などいろいろあると語っている。 

趙威さんは、紅二代たちの中で習近平氏に対する不満が増している一方で、最も保護したいのは自らの財產であると述べている。 

コラムニストの王赫さんは、現在、紅二代だけでなく、他の富裕層や中產階級、権益を持つ者たちも資金を海外に移転し、中国から逃れようとしている人々がいると指摘。 

習近平による紅二代の排除

習近平氏の権力が強まるにつれ、紅二代は政治的に疎外され、一部は排除されている。習近平氏の下で、多くの紅二代やその関連者が権力の中心から遠ざけられ、あるいは法的な処分を受けている。

独立ライターの諸葛明陽さんは、紅二代は組織としての一貫した利益を持たないため、習近平氏に対抗するのは困難で、彼らにとって唯一の選択肢は資産を持って逃げることだと述べている。

寧芯