南太平洋の島国・ソロモン諸島の首相による日本の原発処理水への批判は、中国共産党の浸透工作によるものであると、来日した現地政治家が指摘した。同国の議員や官僚、メディアは中国当局から利益供与を受けており、国際社会では親中共路線を歩み、国内では国民を無視した政治を行っているという。
ソロモン諸島マライタ州元知事のダニエル・スイダニ氏と、政治顧問のセルサス・タリフィル氏は4日、大紀元エポックタイムズの単独取材に応じた。ソガバレ首相と中国共産党の親密な関係を挙げ、首相は中国共産党の「操り人形」になっていると指摘した。
タリフィル氏は「ソロモン諸島にはそもそも(原子力関連の)検査設備がないし、検査する技術を持った科学者もいない。ソガバレ氏はいったいどのような科学的証拠に基づいていて主張しているのか」と強調した。「ソガバレ氏は、日本は地元の科学者に情報を提供すべきだと言った。検査する能力すらないのに、データを得てどうするのか」と疑問を呈した。
日本は誠実な国であり、IAEAが提供するデータは権威的だと指摘。さらに、中国の原発ははるかに放射性の強い物質を海洋に放出しているにもかかわらず、全く批判していないと述べた。
スイダニ氏は、ソガバレ氏は独裁を目指しており、中華人民共和国(PRC)と国交を樹立した後、国内では言論活動が著しく萎縮したと指摘。「台湾と国交を結んでいた頃、人々は政府について自由に話し、物事に疑問を抱くことができた。しかし、中華人民共和国と国交を樹立した後、人々は政府に反対したり、不平を言ったり、自分の権利について主張すれば罰せられるのではないかと非常に恐れている」と述べた。
ソロモン諸島では近年、中国のプレゼンスが急拡大しており、治安機関も中国共産党によって浸透されている。同国のソガバレ政権は昨年4月、中国と安全保障協力協定を締結、中国軍事戦略に詳しい専門家たちは、ソロモン諸島の港湾が中国によって軍民両用とされる恐れがあると指摘する。
スイダニ氏はまた、中国との治安協定により、同国に駐在する中国の警察関係者が増加し、放水車や銃器なども中国から持ち込まれていると語った。
中国共産党の浸透工作の証拠を掴むのは困難だが、当局が大枚を叩いているのは確かだとスイダニ氏は考える。「政治指導者は豪邸や車など、多くの資産を所有している。彼らはビジネスマンではない。どこからそのような大金が手に入るのか」。さらに、ソガバレ政権は山積する国内問題を放置しており、国民の支持を得られていないと指摘した。
タリフィル氏は「国民が民主主義を大切にしなければ、いずれ失われてしまう」と強調した。中国共産党による香港への鎮圧を引き合いに出し、「あの残忍さは私たちにも向けられるかもしれない」と警鐘を鳴らした。
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