中国当局による執拗な嫌がらせのため、引っ越しを重ねることを余儀なくされた北京在住の著名な人権派弁護士・王全璋氏。王氏の子供の小学校への就学が、地元当局によって、またしても「阻止」されたことがわかった。
王氏はかつて、中国で国家政権転覆罪に問われて服役した。「刑期」を終えて出所したものの、王氏とその家族に対する地元公安による監視や圧迫は、その後も続いている。そのため一家3人は、今年4月から数カ月の間に、十数回も引っ越しを余儀なくされてきた。
引っ越しにより、王氏の息子(10歳)が以前通っていた小学校へ通うには往復で数時間もかかるため、王氏夫妻は困り果てていた。
そこで王氏は、現在の住居の近くの学校へ息子を転入させるため、転入先の学校での入学試験を経て、規定通り、入学手続きや学費納入を済ませた。ところがその日の午後、またしても息子は「入学拒否」を告げられたという。
王氏は28日、自身のX(ツイッター)を通じて、「世論の(私への)声援によって、不法勢力(現地公安など)が少しは道理をわきまえてくれると思っていたが、それは違っていたようだ。不法勢力は、まる亡霊のように私たちの周囲を徘徊し、ついには私の息子まで餌食にした」と述べた。
その上で王氏は「私の息子はまた、また、また、また(4回も繰り返して)退学させられたのだ!」と述べて、子供の学ぶ権利さえ認めない当局の非道を訴えた。
これに対し、王氏の苦難を知った多くの著名な人権活動家が名乗りを上げ「中国共産党は子供を人質に取り、王氏を精神的に追い詰めて服従させようとしている。恥ずべき行為だ」と述べ、中国政府はごろつきで卑劣だ、と非難した。
中国政法大学の国際法修士で、現在は米国に在住する賴建平氏は、「中国当局は、国民の基本的人権をあからさまに侵害している。学齢児童の教育を受ける権利を剥奪したことに対し、我われは非常に衝撃を受け、憤慨している」としたうえで、中国共産党の非人道的な行為を非難するよう国際社会に呼びかけた。
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