イーロン・マスク氏、新型コロナワクチンで「危うく入院」…接種義務化に強く反対

2023/09/30
更新: 2023/09/29

X(旧ツイッター)のイーロン・マスク執行会長兼最高技術責任者(CTO)は26日、3回目の新型コロナウイルスワクチン接種を受けた後「危うく入院するところだった」と明かした。

現在Xは、最大の偽情報発信源として欧州連合(EU)の槍玉に挙げられている。これに対してマスク氏は「言論の自由」を強調し、ワクチンに対する見解を述べた。

マスク氏はXに「偽情報をご存知ですか?」との文言とともに、ワクチンの有効性に疑問を投げかける動画を投稿した。同氏はこの投稿に寄せられたコメントに返信し「コロナそのものではなく、ワクチンで苦しんでいる人が多くいる」と訴え、自身も3回目の接種で強い副反応が生じたと述べた。

投稿された動画には、ワクチンは「100%有効」と断言する新型コロナ流行初期のニュースの見出しが映し出され、時間の経過とともにその有効性が下がる過程が紹介されている。

後半には「mRNAのコロナワクチンは5か月後に47%しか効果がなかったのか?」と効果を疑う見出しや、「スウェーデンとデンマークがモデルナの若年層向けコロナワクチンを中止」といった否定的な見出しが続き、最後には、終わりのない追加接種要請の中でワクチンメーカーの収益性を強調する見出しが載せられた。

「めちゃくちゃだ」

マスク氏のワクチン有効性の低下に関する投稿には、政治ジャーナリストのエド・クラッセンシュタイン氏などが異論を唱えるなど、多くのコメントが寄せられた。

クラッセンシュタイン氏はコメントで「効果の低下は、新しい変異株やワクチン免疫力が次第に低下した結果だ。もちろん100%有効だと主張するのは愚かだ。どんなワクチンも100%完全なものではない」と主張した。

これに対してマスク氏は、ワクチンに反対ではないとした上で「私が懸念しているのは、ワクチンと複数回も追加接種を受けなければならない、というとんでもない要求だ。それはめちゃくちゃだ」と回答した。

また米連邦最高裁が、大企業の従業員に対して新型コロナワクチン接種かウイルス検査を義務付けるバイデン大統領の措置を差し止めたことにも触れた。

「(もしワクチン接種義務化が認められていたら)多くの企業は、ワクチン接種を拒否した人を解雇せざるを得なかっただろう」「予防接種を受けたくない良い人材を解雇するくらいなら、刑務所に入る方がましだ」とマスク氏は続けた。

さらにマスク氏自身も渡航のためにワクチン接種を受けたと述べた。最初の2回は「軽い風邪の症状」を経験したが、「3回目は危うく病院送りになるところだった」と明かした。

「コロナそのものではなく、ワクチン接種やコロナ治療により苦しんでいる人が他にどれくらいいるのだろうか?」

新型コロナワクチンの副反応は、以前主張されていたよりも深刻であることを示唆するデータが増えつつある。

スパイクタンパク質を含む新型コロナワクチンは、皮膚障害や鈍い耳鳴り、視覚障害、血液凝固、さらには死亡を引き起こす可能性があると報告されている。

「ワクチンを信じていないわけではない。しかし、予防や治療(により引き起こされる症状)がコロナより悪くなることはあってはならない」とマスク氏。「有効性に関する公的な議論を封じるべきではない」

「我々は監視している」

欧州連合(EU)欧州委員会のヨウロバー副委員長は26日の記者会見で、Xは「誤報や偽情報の投稿が最も多いプラットフォーム」だと指摘した。

フェイスブックやグーグルのような競合他社とは異なり、マスク氏のXは、EUの自発的な偽情報対策の取り組みである「偽情報に関する2022年行動規範」への参加を拒否している。

この規範には拘束力はないとされているが、参加する企業はEUのデジタルサービス法に基づくコンプライアンス要件の一部を緩和することができる。この法律は8月末に施行され、EUで4500万人以上のユーザーを持つ大手テック・プラットフォームに義務付けられている。

「マスク氏は、実施規範を離れたからといって、安心していられるわけではない。なぜなら、今ではデジタルサービス法が施行されている」とヨウロバー氏は述べた。「我々はあなたの行動を監視している」

Xは5月に規範から離脱しているが、強制的なデジタルサービス法の下では「大規模オンラインプラットフォーム」にカウントされるため、より厳しいコンテンツ規制の対象となる。

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。