中国では、国民がネット規制を回避し、海外サイトに接続する行為(壁越え)は法律違反とされている。
北京の多くの大学が、特に国防科学技術の専門学生を対象に、ネット規制の宣伝を強化し、学生が自ら「壁越え行為申告用紙」に記入するように求めた。その厳しさはこれまでにないものだという。
中国では「金盾工程(グレート・ファイアウォール)」という中国全土を網羅するインターネット上の情報検閲システムが存在し、国民に対して中国共産党(中共)や政府にとって都合の悪い情報を閲覧できないようになっており、共産中国の人々はネット規制を突破して海外のサイトなどにアクセスすることを「壁越え」(翻牆)と呼んでいる。
情報筋が提供した画像よれば、ある学校が「インターネット『壁越え』問題の専項調査及び懲らしめに関する通知」を出している。
通知は、中共の「コンピュータ情報ネット接続管理暫定規定」を引用し「いかなる組織や個人も、国際インターネットに接続するためのルートを設立または使用してはならない」としている。
違反した場合、警察は違反者にアクセスの停止や警告を命じ、最高で1万5千元(約30万円)の罰金が科せられる可能性があるとされている。
学校は通知の中で、各クラスの学生に週末(9月16、17日)にネット規制回避をする状況を集計して、各クラスの「自己申告フォーム」に記入するよう求めた。
9月18~25日にかけて、スマートキャンパス管理センターの技術者は壁越えの状況を確認する。通知には「法を破ったら、それなりの罰を受ける」という脅しの言葉が使われている。
学校によってルールは異なるものの、ネット規制という点で共通している。
王さんによると、多くの人がスマートフォンに「WiFiマスターキー」というアプリをダウンロードしている。
「これは第三者が提供するソフトウェアで、WiFiのパスワードを解析することができる。しかし、実名登録が必要で、その登録情報は警察部にも送られる。だから、スマートフォンでこのようなツールを使用してネット規制を回避する行動も、監視される可能性がある」と同氏は語った。
王さんはまた、「壁越えのコストはかなり高い。売春での罰金は5千元(約10万円)だが、ネット規制を回避すると罰金1万5千元(約30万円)で、教師が学校外で学習塾をやると罰金7万5千元(約150万円)。なんとも皮肉な話だ!」と批判している。
元北京師範大学助教授、李元華氏はエポックタイムズに対して、いわゆる自己申告は、実際には脅迫に他ならないと指摘した。
「これは人々が自由に情報にアクセスする権利を奪っている。中共はインターネットを封鎖し、国民が自由世界の情報を知ることを許さない。情報を探求する正当な行為を『違法行為』として扱うのだ」と李氏は述べた。
大学内での自己申告と技術者によるチェックが行われることは、即ち、「金盾工程」に加え、人的監視をも導入されている。これは、「人々が自由に情報にアクセスできることを極度に恐れる中共の極端な措置だ」と李元華氏は語った。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。