習近平の権威が揺らいでいる? 中国軍内部に異変 

2023/09/20
更新: 2023/09/20

最近、中国軍の内部で混乱が生じている。エポックタイムズは複数の情報源から、中国国防相・李尚福氏が逮捕され、装備システムの上層部8人が告発されたとの情報を入手した。

専門家は、秦剛元外相、ロケット軍高官、退任した魏鳳和元国防部長、李尚福国防部長が相次いで失脚し、習近平氏の軍を粛清する動きは、自身の権力が深刻な挑戦に直面していることを示唆すると指摘。

中共(中国共産党)の公式サイトによると、3期目に入ってから、習氏自身が中央委員以上の高級官僚全員を、「直接選出」したという。

台湾国防部のシンクタンク・国防安全研究院の蘇紫雲所長は17日にエポックタイムズに応じ、習近平氏が権力を掌握した後、早い段階で粛清した高官の多くは、習氏によって昇進したわけではないが、今回は違うと語った。

「今回失脚した幹部らの多くは、就任して間もなく粛清されてしまったが、これは中共の政治文化とは全く合致しない。もし習近平氏が100%の権力を握っているのなら、これらの高官は早くても2年後に他の要因で辞職する程度だろう。半年も経たずに解任するというのは、習近平氏にとっては顔をつぶされることになる」

蘇氏は、中国軍トップに緩みが生じていることを示しており、習氏の政治権力は深刻な挑戦に直面している可能性があるかもしれないと考えている。

また蘇氏は反習近平の勢力がこれらの幹部の不祥事を暴露することで、習近平氏の面目を失わせるよう仕向けているのではないかと疑っており「これらの人を攻撃することは、習氏自身を攻撃することと同じだ」と述べた。

李尚福・国防相は先月北京で開かれた「中国アフリカ平和安全フォーラム」で演説して以来、動静が伝えられていない。

李国防相はこの3か月の間に失脚したと伝えられた2人目の中共副国級幹部(国務委員)である。7月に1か月間行方不明となった秦剛元外相は解任され、現在も姿を見せていない。

シドニー工科大学の馮崇義教授は9月17日にエポックタイムズに、李尚福氏は習氏自身が起用した人物で、「李尚福を攻撃することは、習近平を攻撃することだ」と語った。

習近平氏はこれらの高官が忠実でないと考えているのかもしれない。馮教授は、これらの職業軍人はすべて習氏が抜擢したが、習氏自身は軍とあまり縁がなく、軍人たちは彼を軽蔑しているため、多少の意見の相違があるだろうと分析した。

現在、習氏から離れていく中共軍や党・政府の幹部が非常に多い。しかし、下層が本当に反乱を起こそうとしない限り、習氏は主席の席に座り続けることができる。

李尚福氏は宇宙開発の経験を持つ、戦略支援部隊の将校として有人宇宙プロジェクトの副総指揮を務めた最初の人物である。

過去10年間で軍事装備分野に入り、2017年には中央軍事委員会装備開発部主任に就任した。中共第20回党大会では中央軍事委員会委員に選出され、今年3月に国務委員に昇進し、国防部長に就任した。

蘇紫雲氏によると、習近平氏は名目上、米国の技術封鎖に対抗するために、近年、軍事工業を重視しており、主要な職務の多くは技術将校が占めている。

しかし、軍内には派閥争いがある。一部の人は軍の規律検査委員会に情報をリークし、昇進した幹部をを引きずり下ろしている。

「これは中共自身が招いた結果だ。悪事を働いた者が報いを受ける。私はこれを習氏自らの行動で自身の信頼性を損なう罠だと思っている」と同氏は指摘した。

「時間は民主主義の側に立っている。台湾は今、国防の能力を整えさえすれば、ドイツのベルリンの壁と同じように、中国共産党が自ら崩壊するのを待っていればいい」

寧海鐘
中国語大紀元の記者。
駱亜
中国語大紀元の記者、編集者。