福島第一原発処理水の海洋放出に乗じて、中国政府は民衆の民族主義的感情を煽り、中国国内では再び反日ブームが巻き起こっている。
そのようななか、中国の官製メディアは真実の情報を遮断するだけでなく、情報そのものを捏造して報道している実例が今回もあったことがわかった。
「日本の処理水のせいで、海の色が変わった」という中国のネットに出回っているある処理水関連動画について、韓国政府の当局者が「これはフェイク(捏造)だ」と指摘した。
韓国の国家通信社「聯合ニュース」によると、韓国国務調整室の朴購然(パク・グヨン)第1次長は28日の定例記者会見で、日本の処理水放出後に測定した周辺海域の放射性物質濃度は「安全な水準」だったと公表したうえで、ネット上に出回っている「放出開始直後の、福島第1原発近くの海が黒く変化したような写真」はフェイクニュースだと指摘した。
朴氏によると「調査の結果、写真が撮影されたのは処理水の海洋放出が始まる前だ」という。その上で朴氏は「海が黒く見える部分は、暗礁の位置と一致している。光の加減で色が変化して、そのように見えることもある」と説明した。
つまり、海が黒く変化したように見えたのは、処理水の排出とは無関係で、昔からよく見られる自然現象だったのだ。
中国の主要ポータルサイトによって転載されたこの「捏造報道写真」の最初の出所は、中国中央テレビ(CCTV)の報道であることも調査でわかった。
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