LGBTQを広告起用する企業への不買運動が広がっている。このたび、日本でも8月に第1号店がオープンする英大手コーヒーチェーン「コスタ・コーヒー」が、乳房切除手術の傷跡が目立つトランスジェンダーを描いた販促物を使用したことで、論争に巻き込まれている。
コスタ・コーヒーは、両乳房切除の傷跡があるトランスジェンダーのカラフルな画像を英国で商用車に使用した。
SNS上では、#BoycottCostaCoffee(コスタ・コーヒーをボイコットせよ)というハッシュタグが週始めに流行し始め、「少女の乳母切除を賛美している」と指摘するコメントで溢れた。
英リクレイム党のローレンス・フォックス氏はツイッターで、「あなたは健康な若い女の子の切除を促進している」と投稿した。ボイコットを呼びかけるフォックス氏の投稿は、現時点で330万回以上閲覧されている。
性の明確化を目指す非営利団体「セックス・マターズ(Sex Matters)」の責任者ヘレン・ジョイス氏も、この画像の使用は自傷行為を美化するものだと批判した。
「10代の少女の精神的苦痛や自傷行為を示唆し、販売し、美化するのは、コスタの無責任極まりない行為だ」と英テレグラフに語った。
コスタ・コーヒー「多様性を尊重」
一方で、コスタ・コーヒーは「包括性」を重視し、このイラストを使用したとする声明を発表した。
「コスタ・コーヒーでは、お客様、チームメンバー、パートナーの多様性を尊重している。弊社はすべての人が、我々の創り出す包括的な環境を体験し、歓迎され、自由になり、そして恥じることなく自分自身を誇りに感じられるようにしたいと願っている。イラストは包括性を示し、祝福するものだ」と英イブニング・スタンダードに語った。
ソーシャルメディア上では、このイラストを支持する声もある。子供たちの性転換手術を行うヘレン・ウェバーリー医師は、「完全に日常的で普通なことだ」と述べ、包摂的な社会作りを呼びかけた。
米国でも、カルチャーウォー(文化戦争)を背景に社会の分断が深刻化している。5月には米小売大手チェーンのターゲット社が、性転換手術を受けていないトランスジェンダー向けにデザインしたタック入りの水着などを、幼児や小さな子供向けに販売したとして不買運動に直面した。バドライト(Bud Light)も広告宣伝にトランスジェンダーのインフルエンサーを起用したことで、長期にわたる不買運動の対象となっている。
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