未成年への「性的書物」は刑事罰の対象 連邦判事が仮差し止め命令

2023/08/02
更新: 2023/08/02

連邦判事は7月29日、未成年者に「有害」な書籍を提供した図書館員や書店を刑事罰の対象とするアーカンソー州法の一部を一時的に阻止する判決を下した。

この法律は、性的な内容を含む書籍を未成年に提供した図書館員や書籍販売業者に刑事責任を問うもの。有罪となれば、最高1年の懲役または2500ドルの罰金に処せられる。

アーカンソー州図書館協会や出版団体のグループは6月、この法律の一部が憲法修正第1条に違反するとして訴訟を起こしていた。

訴状によると、この法律は「言論に制限を課す」ものであり、「どのような行為が犯罪とされるかについて明確な告知をしていない」としている。

また法律によって性的な内容など、未成年者にとって有害とみなれる書籍を安全な「成人専用」エリアに制限せざるを得なくなることや、「際限のない刑事訴追の危険性」から、18歳未満の公共図書館や書店への入館禁止につながる可能性があると主張した。

適切性

この法律の支持者は、18歳未満はLGBTやセクシュアリティに関するコンテンツにアクセスすべきではないとしている。法律反対派は、これらのコンテンツは地域社会を反映しており、アクセスを制限することは検閲に等しいと主張する。

オバマ大統領が任命したティモシー・L・ブルックス連邦地裁判事は、修正第1条と第14条に違反する可能性があるとして、仮差し止め命令に同意した。

ブルックス氏は、この法律の「適切さ」の定義は「致命的に曖昧」と述べ、憲法で保護された言論を侵害することなくこれを適用するのは難しいと主張した。

一方で、アーカンソー州のサンダース知事は引き続きこの法律を支持すると強調した。

「知事は、子供たちがわいせつなコンテンツにアクセスできないように保護する法律を支持する。民主党が、議会の証言で検閲されているようなコンテンツを子供たちに提供するという考えは馬鹿げており、急進左派のリベラルなユートピアにのみふさわしい」と、サンダース氏のコミュニケーション・ディレクターはCNNに寄せた声明の中で述べた。