タービンの故障と株価の急落は風力産業への疑念を高めている(2)

2023/08/01
更新: 2023/08/01

「次から次へと災害」

プロビデンス・ジャーナル紙が報じたところでは、5月下旬にエネルギー長官であるジェニファー・グランホルムがブロックアイランドの風力発電所を訪問し、このアメリカ初の洋上風力発電所について、国内の他の地域が従うべきモデルだとして称賛した。

「私たちは、この洋上風力発電所を大西洋岸沿いだけでなく、太平洋、メキシコ湾、五大湖でも再現したい。アメリカ全土でクリーンエネルギーを生成できるようにしたいと考えている」とグランホルムは語った。

しかし、ブロックアイランド風力発電所は、他の設備と同様、複数の問題に直面している。

メーガン・ラップはロードアイランド州の商業漁業会社の代表であり、漁業管理にも携わっている。彼女は大紀元に対して、「その設備はほとんど機能しておらず、メンテナンスの問題も頻繁に発生している」と語った。

「数年前、ローターに疲労骨折があるため、5基のうち4基が数か月間オフラインになった」とラップ氏は述べた。「今年は、そのうちの1基が修理のために夏の間中ずっとオフラインになる。次から次へと災難に見舞われている」

補助金の現金化を急ぐ

ウィンドアクションは、風力産業とそれが野生生物、自然環境、人間の健康に与える影響を調査するために2006年に設立された。

この組織は、2004年以来掲載された構造的失敗に関する記事を収集してきた。

「この業界は補助金で動いているため、補助金がなくなる前にできるだけ早く、タービンを設置しようとして急いでいるのだ」とリノウェス氏は語る。

「インフレ抑制法が成立したことで、将来的にはその圧力の一部が緩和されるかもしれない。しかし、ダメージは既存の稼働中タービンや新しく立ち上がるタービンに組み込まれている」と彼女は付け加えた。

「補助金を最大限に活用するため、タービンメーカーはより高いタービンを、より大きなメガワット容量、より低コストで製造するよう強いられてきた。製造や建設の過程で手抜きが行われ、現場の技術者が杜撰な作業をしている可能性もある」

「2007年に警告されたように、タービンの大型化は機械的能力を超えている可能性がある」と彼女は語る。

「現代の陸上タービンは高さ600フィート(183メートル)を超え、ローターの直径は426.5フィート(130メートル)を超えている。多くの応力がかかり、タワーが高くなるにつれて乱気流が増加する」

タービンの高さが高くなればなるほど、その性能は未知数だ。

大西洋岸に沿って220万エーカー(890340ヘクタール)の海域に3500基のタービンが建設される予定だ。

クリーン・オーシャン・アクションのエグゼクティブディレクターであるシンディ・ジップは、以前のレポートで大紀元に、「これらのタービンの高さはクライスラービルと同じ1046フィート(319メートル)で、1枚のブレードは自由の女神の高さを超える」と語った。

リノウェス氏は「アメリカの補助金はタービン設置してから10年間しか出ない」ことを指摘している。

「プロジェクトのオーナーや投資家は、10年が経過する頃には投資を回収し、期待されたリターンを得ている。その結果、プロジェクトの価値は下がる。タービンは古くなり効率も悪くなることが米国政府の研究でわかっている」

「より多くの失敗が見られる可能性が高い」

バークレー・ラボが作成した2020年のレポートによると、パフォーマンスの急激な変化は、最初の10年間の運用後に発生する。それは、米国の風力発電会社が生産税額控除(PTC)の資格を失う時期と一致している。

税額控除は、風力発電設備の開発を奨励するために1992年のエネルギー政策法によって開始された。

科学雑誌「ジュール」に掲載された記事によると、パフォーマンスの低下と生産税額控除の適格期限の間には顕著な相関がある。「これは、PTCによって提供される税制上の大きな優遇措置を利用できなくなると、プロジェクトのメンテナンスや運用戦略が変わることを示唆している」と報告書は述べている。

「これは、メンテナンスコストが割りに合わなくなるということだ」とリノウェス氏は語る。

「2019年から2020年にかけて、GE(General Electric Company)はさまざまな原因による一連のタービン崩壊を経験した」とリノウェス氏は電子メールで述べている。

「複数のタービン崩壊につながる一つの故障は、設計、製造、または組み立てにおける共通の原因を示唆しており、それらは調査や解決できる」

「しかし、複数の障害点に起因する複数の問題は、設計、機器の製造、および適切な運用の要件を把握しておらず、プロセス全体に問題があることを示唆している」とリノウェス氏は述べた。

「最近のシーメンスの報告から、タービンの故障の問題は孤立しているというより体系的なものである」とリノウェス氏は語っている。

「補助金がなくなり、老朽化したタービンのメンテナンスコストも上昇する。これは、今後さらに多くの故障が発生する可能性があることを意味する」

 

(翻訳・大室誠)
 

エポックタイムズ記者。米国報道を担当。