米国のラルフ・ノーマン下院議員は13日、エポックタイムズの歴史について議場で演説し、中国共産党(中共)政権による弾圧に直面しながらも、世界中の読者に検閲のない情報を提供し続けるその使命に光を当てた。
エポックタイムズは2000年、ジョージア工科大学で物理学の博士号取得を目指していたジョン・タン氏によって設立された。中共による伝統気功・法輪功への迫害を契機に、検閲のない真実のニュースを伝えるため、同氏はジョージア州アトランタにある自宅の地下室で新聞の創刊を決意した。
「彼は20年後、購読者数において米国第4位の新聞社になるとは想像もしていなかっただろう」とノーマン氏は述べた。
エポックタイムズの誕生
1999年、中共は「真善忍」という普遍的な価値観を掲げる法輪功への弾圧政策を開始した。心身の健康と道徳性の向上に顕著な効果が見られるとして人気を博し、当時は中国国内だけで約7千万人から1億人の法輪功学習者がいたとされる。しかし、これを脅威とみなした中共は迫害を正当化するために、国営・民間メディアを駆使し、世界中に法輪功に対する憎しみを扇動した。
当時米国に移住していたタン氏は、西側メディアが中共のプロパガンダを増幅する一方で、友人たちが信念のために迫害されるのを見て行動に移した。
経験も資金もないタン氏だったが、自宅の地下室でエポックタイムズの中国語版である『大紀元』を創刊した。タン氏の目標は、中国人だけでなく、世界中の人々に検閲されていない情報を提供することだった。やがて、高い学歴を持つ中国系米国人たちが、高収入のキャリアを捨ててタン氏と一緒に「この不可能とも思える挑戦」に参加するようになった、とノーマン氏は語った。
中共の悪行や人権侵害に焦点を当てた報道をするエポックタイムズは、党による情報封鎖の対象となっている。設立されてから数か月後、中国警察は中国国内の大紀元記者と編集者全員を逮捕した。そのうちの何人かは判決を受け、度重なる拷問に耐えたとノーマン氏は言う。スタッフの張玉輝氏と石紹平氏はそれぞれ10年の懲役刑を言い渡されたと指摘した。
こうした中共による妨害にも関わらず、大紀元は中国の時事問題の主要なウェブサイトとして中国国外に広まり、何百万人もの読者を惹きつけている。現在、大紀元が中国語新聞を発行している国は30か国以上に上る。多くの中国人が中共のグレート・ファイアウォールを回避して、大紀元のウェブサイトにアクセスしている。
エポックタイムズへの襲撃
中共は創刊以来、エポックタイムズの閉鎖を試みてきた。
「党は新聞の広告主を脅し、絶え間ないサイバー攻撃を仕掛け、中国にいるスタッフの親族を脅している」とノーマン氏は語気を強めた。
この嫌がらせは中国に限ったことではない。2006年、エポックタイムズ技術総監・李淵氏のアトランタの自宅に複数のアジア系の男性が押し入り、李氏を椅子に縛り付けて殴打した後、パソコンを持ち去った。金品などには手をつけなかったという。
2019年には香港大紀元の印刷工場で、暴漢が新聞社の印刷機に火を放った。2021年には、ハンマーなどの凶器を持った男らが香港大紀元の印刷工場に侵入し、印刷機械を破壊した。
こうした襲撃にもかかわらず、本紙は真実を伝えるという目的を果たし、ひるむことはない。
ノーマン氏はまた、エポックタイムズの脱党運動にも言及した。同紙が中共の本質を暴く『共産党についての九つの論評』を出版して以来、「4億1千万人以上の中国人が中共およびその関連組織との関係を断ち切った」と述べた。
米国への影響
中共が米国、特にメディア組織に浸透していることを認識したエポックタイムズは、2003年に英語版を創刊した。同紙の独立した報道は瞬く間に人気を博した。現在では、購読者数で米国第4位の新聞社となっている。
またエポックタイムズは現在、36か国、22言語で各国語版を発行し、独立系メディアとして検閲のない真実のニュースを伝えている。
ノーマン氏は最後に、エポックタイムズは「人々を鼓舞し、人間の最良の部分に焦点を当てることを追求している」「これはすべて、自由という一言につきる」とスピーチを締めくくった。
ノーマン氏は本紙の取材に「他の人なら家宅捜索を受けたり、拷問を受けたりしたら、やめていただろう。しかし、自由国家として生き残るためには米国も立ち上がらなければならない」
「エポックタイムズの物語を伝えなければ、米国は次の中国共産党になりかねない」と語った。
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